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NTUCインカムが「サンドイッチ世代」の保障ギャップを埋めるローコスト商品を発売

NTUC_Income_logoICMIFに加盟するシンガポールのNTUCインカムは、子世代と親世代の扶養を二重に負担する「サンドイッチ世代」の経済的保障をターゲットに開発した、「ファミリー・プロテクト」という独自の保障プランを発表しました。

2015年に発表された社会階層と社会動向に関する調査[1]によると、「サンドイッチ世代」とは「ある世代が家族のうち他の2世代の扶養責任を負う社会構造」と定義されています。この2世代とは通常、子供と親(配偶者の親も含む)を指します。一般にこの「サンドイッチ世代」の人は、親と子供の両世代に対する「資金援助上の問題」を抱えています。

サンドイッチ世代は、脆弱性は認識しているが、資金的保障策を講じていない

こうした意識は、調査会社カンター・TNSがNTUCインカムの委託により実施した、シンガポールの「サンドイッチ世代」調査[2]にも反映されています。同調査では、30~40代の男女16人を対象に綿密な定性的調査を行った結果、その日暮らしであったり、月々の可処分所得がほとんどなかったり、という実像が浮き上がりました。この世代は一家の大黒柱となり、子供に良い教育を受けさせるべきという強いプレッシャーにさらされています。そして不慮の病気や失業を非常に心配しており、こうした事態に陥ると、子供の教育にしわ寄せがいくと考えています。親類の援助やいくらかの貯蓄、銀行からの借り入れの可能性を除くと、資金的余地は限られており、いざという時の備えや保障がないと感じています。

さらに重要な点として、同調査では特に子供のいる回答者ほど、保険による保障は不可欠であり、そのメリットも認識しているが、保険加入を検討するよりも先に現在の家計の状況を改善したいと回答する傾向にありました。回答者の保険に対する消極性は、掛金が高すぎて払い続けられるかどうか心配だという不安でさらに強まっているという結果となりました。

NTUCインカムは上記調査とは別に、ニールセンへの委託により「サンドイッチ世代」の30~55歳の200人を対象とした調査も実施しました。回答者には高齢の親と学齢期の子供がおり、こうした扶養家族に当てる費用は、資金需要の半分近く(45%)を占めるとの結果となりました。また回答者の72%は住宅ローン、53%は家計費の負担も抱えていました。

回答者の平均世帯収入は8,000シンガポールドル(以下、ドル)で、シンガポール全体の平均世帯収入(約7,800ドル)をやや上回ります。しかし、収入を家族1人当たりでみると約1,800ドルとなり、シンガポールの平均(約2,300ドル)を下回ることから、複数の扶養家族を抱えていることが示されます。したがって、回答者のほぼすべてが支出削減を試みており、60%は、出費は可能な限り必要最低限に抑えて貯蓄に努めると回答しています。回答者のうち、生活費の補助金や助成を受けている人は極めて少なく(8%)、全体の40%以上が残業(26%)やパートタイムの副業(24%)などで収入を補っています。

回答者200名のうち約40%は、扶養家族への経済負担が不可能となる可能性のある不慮の事態への備えがないと回答しました。

備えがあると答えた層でも、万が一に備えた貯蓄がある、またはメディシールド(政府が提供する任意加入の医療保険制度)や扶養家族保護制度、労災のようなセーフティーネットに頼ることのできる人は半分程度に留まっています。回答者の約30%は、もしもの場合は住宅のグレードを落とすか、資産を売却すると答えました。

シンガポール国立大学(NUS)の社会学者である陳恩賜(Tan Ern Ser)教授によると、晩婚・晩産化によりサンドイッチ世代は40歳以上の層であることが多く、その子供は進学率の伸びにより就労が遅れ、親の世代は寿命の延びを享受しています。

サンドイッチ世代は、短期的な優先支出ニーズをやりくりしなければならず、当然、可処分所得はほとんど残りません。将来のリスクに備えるというのも同様に優先的であるにもかかわらず、それに当てる資金が確保できないのです。こうした層が、他の人々とリスクをプールして軽減できる安価な保険に加入できると良いのですが」(陳教授)

NTUCインカムの生命・医療保険部門責任者のアンドリュー・ヨー氏の説明によると、「『ファミリー・プロテクト』は、保険に非加入または十分な保険サービスを受けていないシンガポールの人々にとってより身近な保険を作りたいという当社の思いを際立たせた商品です。競争が厳しく高齢化が進む社会において、サンドイッチ世代に対する子と親の両世代からのプレッシャーは引き続き高まり続けており、十分な保険に入っていないのも無理はありません。当社はこうした事情を念頭に置き、サンドイッチ世代の脆弱性に対応した保障を提供できる手頃な選択肢となる『ファミリー・プロテクト』を開発しました。同商品は、この世代の人々が直面する本人および愛する家族の経済的保障の向上に実質的に対応する保険です

『ファミリー・プロテクト』の開発においては、サンドイッチ世代からのフィードバックを考慮し、現実的に対応できる商品となるよう留意しました。この点で同商品は、安価な掛金、補償範囲、保障額など、この世代に最大限に配慮し、もしもの場合に状況を乗り切れる扶養家族向け経済セーフティーネットを提供できるといえます。解雇時保障やキャッシュバックなど、この世代が重視する給付も盛り込まれています

サンドイッチ世代の弱点に的確に対処する「ファミリー・プロテクト」

「ファミリー・プロテクト」では、10年間の保障期間に死亡や高度障害、余命宣告となった場合、またガンや脳卒中、特定の心臓疾患、末期肺・肝臓疾患などの場合について、5万ドル、10万ドルの2種類の保障額が提供されています。さらに同商品は、次のようにサンドイッチ世代の家計と重病保障ギャップを埋めることができます。

第一に、月々の掛金は支払が可能な額に抑えられているため、固定支出が多く毎月の可処分所得がほとんど残らないサンドイッチ世代でも払い続けることが可能です。例えば、40歳男性(非喫煙者)の「ファミリー・プロテクト」の掛金は、5万ドル保障の場合は月額23ドル、10万ドル保障の場合は月額45ドルとなります。

また重要な点として、同商品は加入者が死亡や高度障害、余命宣告となった場合、扶養家族1人ごとに保障額が25%ずつ引き上げられます(最高100%、つまり扶養家族4名まで)。この給付は業界最高水準であり、もしもの場合に加入者だけでなく扶養家族にとっても、より大きな安心につながります。

また、「ファミリー・プロテクト」は解雇時保障が付いており、解雇された場合は失業期間にわたり毎月保障額の1%相当額が支払われます。一般的な解雇時保障は、失業して3カ月後からでなければ保障が受けられません。したかって、同商品なら再就職活動の間に限られた貯金を取り崩すことを防げます。

さらに、死亡や高度障害、余命宣告による請求がない場合は、10年の保障期間満了時に支払い済みの掛金の正味金額の20%が加入者に払い戻されます。

前述のニールセンが200人のサンドイッチ世代を対象に実施した調査では、回答者の97%が「ファミリー・プロテクト」は扶養家族を経済的に支える上で有益だと思うと答えました。また80%以上が同商品について、知人に紹介するだろうと回答しています。

中等学校で教員を務めるアズラン・アズリさん(35歳)も「ファミリー・プロテクト」の潜在顧客層の1人です。毎月の給料から50代後半の両親への援助、住宅ローン、7カ月の息子の出費を捻出しています。「息子が大きくなって、保育園や学校に生かせる費用が必要になれば、家計がさらに厳しくなります」(アズランさん)

月々33ドルの支払で、家族が経済的逆境に陥った際に10万ドルが保障される『ファミリー・プロテクト』は魅力的な保険です。また、掛金も手頃で、自分と家族に実質的に安心を与えてくれる給付内容となっています

「ファミリー・プロテクト」は2018年1月より発売予定です。

 

[1] 陳恩賜(Tan, Ern Ser)、「Class and Social Orientations: Key findings from the Social Stratification Survey 2011(社会階層と社会動向:社会階層化調査の主要結果(2011年))」、 シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院。
[2] カンター・TNSによる「サンドイッチ階層の理解」調査結果。同調査は、33~54歳で世帯収入が月額1,800~2,500ドル水準、世帯人数が7人以下の16名を対象として訪問インタビュー形式で実施された。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2017.12.6

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