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ケニアの畜産従事者25万人にマイクロインシュランスを普及、ICMIFとCICが合同プロジェクトを始動

ICMIF_Kenya_project_launch_photo_-_final_0ケニアの協同組合保険組織CIC保険グループ(以下、CIC)は本日(9/17)、同国の低所得層の畜産農家にマイクロインシュランスによる家畜保険を提供する5カ年プロジェクト始動に関する公式イベントをナイロビで開催します。この事業は、ICMIFの5-5-5マイクロインシュランス戦略の枠組みの下で策定され、新興国において、協同組合/相互扶助の保険組織が提供するマイクロインシュランスの普及拡大を目的としています。5-5-5戦略は、低コストでのマイクロインシュランス提供を図ることにより低所得地域の強靱化を目指す独自の取り組みです。

ケニアは低所得国に分類され、人口の33.6%が1日1.9米ドル未満で生活しています(国連人間開発報告書2016年)。こうした貧困層の大部分は農村部に集中しており、畜産を含む農業で生計を立て、それがケニア経済の基盤にもなっています。しかし、ケニアの畜産業は様々なリスクに対して脆弱であり、牛が1頭死んでしまうだけで、世帯の暮らしに深刻な影響を及ぼすこともあります。

CICグループのトム・ギトゴ(Tom Gitogo)CEOは、このプロジェクトによるインパクトについて、次のように述べています。「今後5年間で新たに25万人の低所得農家にマイクロインシュランスの家畜保険を普及させる計画です。これは牛50万頭が付保されるということです。CICは低所得の農業従事者とその家族の生活および生計向上のための総体的アプローチの一環として、畜産協同組合との協力を通じて、このマイクロ保険商品を普及拡大していきます」

CICが2009年より販売しているマイクロインシュランスによる家畜保険は、低所得の畜産農家を対象に、家畜の死亡補償を行う商品です。手頃な価格の保険を提供することにより、こうした農家が被りやすい経済的損失を回避することができます。この家畜保険は安価なリスク軽減策を提供するだけでなく、対象者に的を絞った金融リテラシー教育や、獣医によるサービス、畜産方法の改善指導などをピンポイントに実施しています。CICのプロジェクトは、保険の役割に対する意識を向上し、リスク緩和戦略を提供することにより、人々に長期的に「保険になじんでもらう」ための後押しを行います。

CICが本日主催するプロジェクト始動イベントには、同グループやICMIFのほか、同事業に協力してきたICMIF加盟団体の代表者を含むプロジェクト関係者が出席します。

またイベントでは、SBOリサーチとACREアフリカの調査担当者より、本事業の基礎ともなったICMIF国別診断報告書「ケニアにおける協同組合/相互扶助のマイクロ保険に関して」に関する詳細な発表も行われます。

ケニアにおける5-5-5戦略は現在のところ、ICMIFの加盟団体であるP&V保険(ベルギー)とスライベント・ファイナンシャル(米国)の2社からの直接支援を得ています。両社ともに、CICが国別報告書の調査結果を基にしてマイクロインシュランス展開戦略を策定する上で大きな力となっています。また職員をケニアに派遣し、CICの担当チームに出向させました。P&Vのファビアン・メリス(Fabian Melis)氏はCICに3カ月出向し、プロジェクトの事業計画策定を支援しました。スリベント・ファイナンシャルのダン・ワナウス(Dan Wanous)氏とエリー・アンダーソン(Ellie Anderson)氏もその後2018年9月下旬より同国に2カ月滞在して、引き続きプロジェクトが成功するための支援を行う予定となっています。

スウェーデンのNPO、ウィー・エフェクト(We Effect)も同プロジェクトに資金・技術援助を提供しています。ウィー・エフェクトは1958年に設立され、労働、影響力、サービス、収入、生計に関してメンバーの権利やニーズを明確に示すことのできる民主的な組織や社会の発展を支援しています。同団体は、ICMIFの加盟団体であるフォルクサム(Folksam)が創設し、現在も所有者として活動しています。

ICMIF基金のサビエ・パテル(Sabbir Patel)CEOは次のように述べています。「ケニアの低所得層の農業従事者に大きなインパクトをもたらすCICのプロジェクトが始動することを喜ばしく思います。CICおよびパートナー団体の熱心な取り組みに大変感謝しています。こうした志を同じくする組織の間における協力は、本事業の成功にとって重要な強みとなるでしょう」

ICMIFの5-5-5マイクロインシュランス戦略では、新興5カ国において5年間に、新たに500万世帯の低所得層の人々に相互扶助のマイクロ保険を普及させることを目指しています。5-5-5戦略は、低所得層地域の人々を対象とし、日常的に直面するリスクから保障する仕組みの提供を通じて地域を強靱化することを最終的な目標に据えています。5カ国中、ケニアは本プロジェクトが実施される3カ国目の国となります。5-5-5戦略は、主にICMIFの加盟団体からの直接支援を受けており、これまでに15カ国21団体が支援に参加しています。

写真:左から、トム・ギトゴCIC保険グループ(ケニア)CEO、メアリー・ムンガイ(Mary Mungai)ケニア産業・貿易・協同組合省 協同組合振興局長、サビエ・パテルICMIF基金CEO

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2018.9.17

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