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ICMIF会員組織が「5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略」を通じ男女平等に貢献

Int_womens_day_555_story今年の国際女性デー(#balanceforbetter)のテーマは、「経済と地域社会が繁栄するためにジェンダーバランスは不可欠」という原則に基づいています。

しかし、7億8,300万人の人々が1日当たり1.90米ドルの国際貧困ライン以下で生活して(国連調べ)おり、繁栄とは程遠いコミュニティは世界中にたくさんあります。例えば極度の貧困の中で生活する25歳から34歳までの人は、男性100に対して女性は122と、貧困の分布もバランスが取れていません。

低所得層のための保険「マイクロインシュランス」は、男性も女性も共に貧困に陥るのを防ぐ助けとなりうる大事なセーフティネットです。保険は次のような理由から、「ジェンダーの平等」という国連の持続可能な開発目標を達成するための重要なメカニズムとして認識されています。

  • 「保険は出産などに関連する女性特有の健康リスクによる深刻な影響から女性を守ります」
  • 「保険は家族を失うことによる経済的ダメージから女性を守ります」 (GIZ, 2017)

協同組合/相互扶助の保険組織により提供され「相互扶助のマイクロインシュランス」として知られる保険は、生活面の安定という域を超え、ジェンダー平等に貢献しています。女性は、相互扶助のマイクロインシュランスの契約者として、実際に制度運営に参画することが可能であり、また多くの場合各世帯における主たる保険契約者となっているため、彼女たちは自分の生活に直接影響を及ぼす決定を行なう権限を手にしています。

ICMIFは、相互扶助のマイクロインシュランスの提供範囲を拡大し、貧しい地域社会の回復力を高めるために、2016年6月に5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略(「5-5-5戦略」)をスタートしました。ICMIFは5年間で、5つの新興国(コロンビア、ケニア、インド、フィリピン、スリランカ)で、500万の低所得世帯にマイクロインシュランスを新規に提供することを目指します。

この目標を達成するために、ICMIFは現地の会員組織(「プロジェクトパートナー」)と提携して、それらの団体の既存のマイクロインシュランス業務を拡大させます。また、5-5-5戦略は主に、資金支援または技術支援プロジェクトを通じて、他のICMIF会員組織ならびに趣旨に賛同する先進市場の組織(「支援パートナー」)によって支援されています。

ICMIFのフィリピンにおける5-5-5戦略プロジェクトでは現地の会員組織RIMANSIと提携して、マイクロインシュランス共済組合(Mi-MBA)の能力を強化しており、マイクロインシュランスに加入しているフィリピンの低所得世帯数は100万に到達しました。これらのMi-MBAのほとんどは女性が主導しており、保険契約者の90%は同様に女性です(ICMIF、2017年)。 このプロジェクトは2016年6月に開始され、ICMIFの会員であるCARD MRI(フィリピン)、DEVK(ドイツ)、Folksam(スウェーデン)、Thrivent Financial(アメリカ)および全労済(日本)が揃って資金支援を行いました。

インドでICMIFは、現地会員組織のUplift MutualsおよびDHAN Foundationと提携しています。 ICMIFの国別診断レポートのデータによれば、インドの相互扶助のマイクロインシュランス保険の契約者の90%以上が女性であることが確認されます。その主な理由は、インドの協同組合/相互扶助の保険組織のほとんどが、伝統的に女性を対象とし女性によって発展してきた自助グループあるいはマイクロクレジット事業から生まれていることにあります。The Cooperators(カナダ)は、Upliftのプロジェクトに資金支援および技術支援を提供しています。これまでに15のICMIF会員組織からなるコンソーシアムが結集してDHAN Foundationとの共同プロジェクトを支援しています。それらの組織は、 American Agricultural Insurance Company(米国)、FMG(ニュージーランド)、コープ共済連(日本)、San Cristobal(アルゼンチン)、Sancor Seguros(アルゼンチン)、Seguros Unimed(ブラジル)、UNMI(フランス)、Thrivent Financial(米国)、Tuw Tuw(ポーランド)、大学生協共済連(日本)、Unipol Gruppo(イタリア)、UNIVE Dichtbij(オランダ)、JA共済連(日本)、全労済(日本)です。また、Achmea(オランダ)は技術支援を行なっています。

ケニアでの5-5-5戦略プロジェクトでは、ICMIFはCIC Insurance Groupと提携して、今後5年間で25万人の低所得の酪農家に手頃な価格のマイクロインシュランスを提供することを目指しています。女性を含め、世帯全体がこの家畜マイクロインシュランス商品によって提供される保障から恩恵を受けています。このプロジェクトは、ICMIF会員組織であるP&V保険(ベルギー)とThrivent Financial(米国)、そしてWe-Effect(スウェーデンの非営利団体)によってサポートされています。

ICMIFはまた、コロンビアのEquidad Seguros、スリランカのAmana Takaful、Sanasa、CICL、COOPLifeといった現地会員組織と提携し、各国のマイクロインシュランスの展望に関する調査プロジェクトを実施しました。コロンビアとスリランカの国別実践プロジェクトは、2019年に始まる予定です。

5-5-5戦略は、ICMIF会員組織が結集し、よりバランスのとれた社会を築くためのユニークな機会です。 5-5-5戦略の支援を考えるICMIF会員組織は、詳細についてNaomi Davison(naomi@icmif.org)までお問い合わせください。

5-5-5戦略のガバナンスについては、2015年にICMIFにより創設されイングランドおよびウェールズにおいて登録された慈善団体「ICMIF財団」によって監督されています。

国際女性デーについて

国際女性デー(3月8日)は、女性の社会、経済、文化、政治面での功績を祝う世界的な日です。また、男女平等を推進するための行動を呼びかける日でもあります。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.3.8