AOA

ICMIFサイトへ

レポート

AFM(イギリス)レポートは、英国の相互扶助金融を「将来にわたって保証する」計画の概要を示しています

afm

AFM(Association of Financial Mutuals)とWhitecap Consultingが先週発表した新しいレポートは、英国の相互保険会社と友愛組合が現在および将来的に注力すべき主要分野に焦点を当て、これらの組織のCEOや取締役会に一連の戦略的考慮事項を提供しています。

AFMは、顧客が所有する、あるいは特定のコミュニティにサービスを提供するために設立された43の保険・医療機関を代表しています。相互保険会社は、英国で3,000万人を超える人々の貯蓄、年金、保護、および医療を管理し、年間約200億英ポンド(3兆80億円)の保険料収入を得ています。

相互保険会社と友愛組合2021の戦略的展望(Analysis of the strategic landscape for mutual insurers and friendly societies 2021)」レポートの分析によると、AFM会員団体の全体的な財務実績はここ数年堅調に推移しており、組織はCovid-19の厳しい環境に耐えながら、組合員や顧客をサポートし続けています。

レポートの主な内容は次のとおりです。

  • AFMには多様な会員団体がおり、会員数や顧客数、財務状況の面で回復力を示している。場合によっては、AFM会員組織が活動しているより広い競争環境を上回っている例もある。
  • 団体の目的主導型の性質と相互の精神は、社会が意識的な消費主義の方向に向かっているように思われ、単なる取引上の交換以上のものを提供する団体との関わりを模索しているという点でよく一致している。
  • AFM会員団体には、相互扶助の伝統と精神、コラボレーションと知識の共有への意欲、ESGの重要性の高まり、直面する将来の課題への取り組みなど、共通点を有する。
  • AFM会員団体の中には、デジタルに関する優先順位、競争上の優位性の源泉に関する認識、組織が事業を展開する市場セクターにおける将来の傾向などの分野で集団を見ることができる。

したがって、レポートでは、5つの主要なテーマに焦点を当て、いくつかの戦略的考慮事項を推奨しています。

1.相互扶助の精神を促進する

  • 相互扶助団体の組合員として受け取るメリットや価値を明確にし、メリットの提供をフォローすることで、現在および将来の組合員/顧客と共鳴する方法で相互扶助を推進する。

2.成長のための戦略的視点

  • 組合員/顧客が、株主所有の競合他社よりも営利組織のために相互扶助団体を選択する理由と、これらの推進要因が時間の経過とともにどのように変化する可能性があるかを理解する。

3.デジタル技術の採用

  • 進化する組合員/顧客のニーズとより広い競争環境を考慮に入れて、組合員/顧客との結びつきの強化、特定の利益と効率の向上の提供に関して、デジタル・テクノロジーへの投資がどのような役割を果たすかを明確にする。

4.非競争的コラボレーション

  • 知識の共有と共有学習、およびコラボレーションとアウトソーシングのメリットをオープンに積極的に追求し、相互扶助の価値をサポートし、サービス品質、運用、デジタルアクセラレーションを強化して、将来の存続と競争力の向上を確保する。

5.ESGの採用

  • 環境、社会、ガバナンスのそれぞれをカバーする戦略的分野として、ESGアジェンダ全体の幅広い分野に積極的に関与する

AFMの最高経営責任者であるマーティン・ショー(Martin Shaw)氏は、次のように述べています。「私たちの会員団体は、過去200年以上にわたって起きたいくつかの国家緊急事態のときと同じように、ロックダウンという極限状態で顧客をサポートする能力に大きな誇りを持っていました。しかし、レポートから浮かび上がるのは、世界がパンデミック前の状態に戻ると考えて安穏としているのではなく、金融サービスを形成する力、そして消費者のニーズと期待が大きく変化しているという金融業界の認識です。 このレポートのテーマは、将来の保険業界が強力で活気に満ちた相互扶助の存在を維持するために採用するロードマップを示しています。」

Whitecap onsultingのマネージングディレクターであリチャード・コーツ(Richard Coates)氏は、次のように述べています。「AFM、その会員団体、準会員団体、その他のパートナーと協力して、本レポートの基礎となる分析を行う機会を得たことを嬉しく思います。コンピューターやテクノロジー主導のシステムやプロセスが、顧客やサービスへの介入や成果を決定づけるようになってきている世界で、人々に焦点を当てた相互扶助組織は、一人一人の組合員のために柔軟性を提供する大きな機会と能力を持っています。相互扶助組織にとっての鍵は、この差を活用し、デジタル・テクノロジーを駆使して品質重視の姿勢を支え、この優位性を失わないようにすることです。このような相互扶助組織は、利益よりも人々を大切にしています。」

この調査は、Whitecap ConsultingがAFMと共同して実施し、43のAFM会員団体すべての定量的データ分析と、31人のCEOへのインタビューを含み、幅広い利害関係者の協力とオンライン調査により実施されました。ICMIF会員団体の、Cornish MutualIPB InsuranceLivery Companies’MutualMDUOneFamilyPG MutualThe RetailMutualがAFMに加盟しています。

※ 文中の金額は1英ポンド=150.40円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/afm-report-outlines-plan-to-future-proof-uk-financial-mutuals/

掲載日付2021.11.25