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ウニポール(イタリア)は、次の戦略計画で持続可能性の目標を設定し、Net-Zero Asset Owner Allianceに参加します

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ウニポール(Unipol Group)は、国連が提唱する「ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンス(Net-Zero Asset Owner Alliance)」にICMIF会員団体として7番目に参加したことを発表しました。

ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスは、運用資産10.6兆米ドルの73の機関投資家からなる国際的なグループで、2050年までに投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量をネットゼロにするという大胆な取り組みを行っています。

「2017年の責任投資原則の署名に続き、ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスに参加することは、投資判断に環境、社会、ガバナンスの要素を取り入れ、保険の社会的役割と続可能な開発に貢献し、パリ協定の目的を達成する潜在力を強調する上で、さらなるステップとなります。」とウニポール・グループのマネージングディレクターであるマッテオ・ラテルザ(Matteo Laterza)氏は述べています。

ウニポールは、ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスの他の6つのICMIF会員団体*(フォルクサム、スイス再保険、コーポレーターズ、 Maif、ARC、HUK-Coburg)に加りまます。

ウニポールは、2021年に持続可能な投資の増加を報告していますが、次の3年間の戦略計画で野心的な目標を設定しています

ウニポール・グループは、以前から金融資産の運用をESG(環境、社会、ガバナンス)基準の責任と保護に向ける、体系的なアプローチを取ってしてきました。2021年末時点で、ESG基準に基づくモニタリングの対象となる資産は519億ユーロ(7兆2,395億3,100万円、運用資産全体の83%)に達しています。

国連の持続可能な開発のための2030のアジェンダを支援する投資は、2021年に合計41%増加し、8億6,200万ユーロ(1,202億4,038億円)に達しました。このうち、気候変動への取り組みや生物多様性の保護を支援する投資は50%増加しました。したがって、2021年末の戦略計画で定められた2030アジェンダを支援するための投資目標の6億ユーロ(836億9,400万円)を2020年までにすでに達成し、超過しています。

投資の主な分野は、再生可能エネルギー、デジタル・ネットワーク、持続可能な移動手段です。また、2020年9月に発表した「グリーン・ボンドの枠組み」に基づき、2020年に初のグリーンボンドを総額10億ユーロ(1,394億9,000万円)発行しました。2021年12月31日時点における、「グリーン・ボンドの枠組み」の基準に沿ったプロジェクトの借換えや資金調達に割り当てられた収益は5億5,060万ユーロ(768億319万4,000円)に達しています。

ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスへの参加は、ウニポール・グループの新しい2022-2024戦略計画「Opening New Ways」を形成する他の多くの持続可能性目標およびESGに関する取り組みとともに発表されました。

ウニポールは、2024年までに以下の達成を目指しています。

  • 環境・社会的価値のある製品の比率を30%にする。
  • 持続可能な開発目標(SDGs)へ13億ユーロ(1,813億3,700万円)を投資する。
  • 保険部門の平均よりも高い評判スコア(RepTrak®方式による)を獲得する。
  • ウニポール経営陣のインセンティブ制度の20%をESGターゲットにリンクする。

また、グループはSDGs達成に以下の貢献をすることを発表しました。:

  • 目標3–すべての人に健康と福祉を:ライフサイクルを見据えた健康商品の開発を通じて、時代とともに変化する個人と社会の両方のニーズに対応する提案を行う。
  • 目標8–働きがいも経済成長も:相乗的かつ統合された方法で不動産の提供を充実させ、重要な供給チェーンに責任あるアプローチをとる住宅所有者を確実にサポートするサービスを提供する。
  • 目標11–住み続けられるまちづくりを:持続可能な自動車保険のアプローチを通じて。パリ協定の目標を支援する行動を促進する
  • 目標12–つくる責任つかう責任:循環型経済を視野に入れた保険金請求管理手続きの環境適格性評価を通して、生命保険商品のESG要素を増やす。
  • 目標13–気候変動に具体的な対策を:ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスへの参加を通して、気候関連に関するリスクと機会への対応方法を確認し、直接的および間接的な影響を減らしながら、地球温暖化を1.5°Cに抑制するというパリ協定の目標の達成に貢献する。

ユニポールは、ヨーロッパで最大の保険グループで、イタリアにおける損害保険分野(特に自動車損害賠償責任保険および健康保険事業)の大手企業です。保険料総額は133億ユーロ(1兆8,552億1,700万円)で、そのうち79億ユーロ(1兆1,019億7,100万円)が損害保険、生命保険は54億ユーロ(7,532億4,600万円、2021年実績)です。ウニポールは統合事業戦略を取っており、主に子会社のUnipolSai Assicurazioniを通して事業を展開し、保険・金融商品の全範囲をカバーしています。また、直接自動車保険(Linear Assicurazioni)、輸送・航空保険(Siat)、健康保険(UniSalute)、付加年金、バンカシュアランス(銀行窓販。Arca Vita、Arca Assicurazioni、Incontra)も積極的に取り組んでいます。

ICMIF創設メンバーの一員として、ウニポール・グループは、100年前にICMIFが設立されたイタリアのローマで開催されるICMIF 100周年記念会議(2022年10月25〜28日)の主催者になります。本会議や分科会では、SDGsの定着やネットゼロへの移行をテーマとするセッションが予定されており、持続継続の可能性が議題の中心になります。

会議に先立ち、ICMIFは2022年を通して、ローマで議論されるトピックに焦点を当てた多くの100周年記念ウェビナーを主催しています。ICMIFは最近、「ネットゼロへの道」と題したウェビナーを開催しました。このウェビナーでは、ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスのメンバーであるフォルクサムとコーポレーターズの経営者が、他のICMIF会員団体がネットゼロへの移行を目指す際に役立つ洞察と学習をお話しました。ICMIF会員団体は、このウェビナーの録音と書き起こしについて、こちらリンクまたはICMIFナレッジハブからアクセスができます。

*ICMIF賛助会員のAviva Investorsの親会社であるアビバ(Aviva plc)は、ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスのメンバーでもあります。同様にアクメア(Achmea )も国連が招集したネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンスのメンバーです。ネットゼロ・コミットメントやグローバル原則に署名したICMIF会員団体の概要については、ICMIF会員団体の持続可能な投資レポート2021をダウンロードしてご覧ください。

※ 文中の金額は1ユーロ=139.49円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/unipol-sets-out-sustainability-targets-in-next-strategic-plan-and-joins-the-net-zero-asset-owner-alliance/

掲載日付2022.6.2