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BCCMレポートによると、オーストラリアの協同組合および相互扶助団体セクターは、経済的不確実性の環境下にもかかわらず、10.8パーセントの収益増加を記録しました

BCCM 全国協同組合相互経済レポート - 2023 - メリーナを示す

BCCMがまとめた第10回NME年次レポートによると、オーストラリアの協同組合および相互扶助団体の上位100社は、世界経済やオーストラリア国内経済の大きな逆風にもかかわらず、2022 会計年度の収益が377 億オーストラリアドル(前年度実績の10.8倍 )に達しました。

レポートはまた、同セクターが同年に資産と利益の大幅な伸びを記録したことも示しています。

アグリビジネス、金融サービス、健康保険、自動車運転といった最大のセクターの収益性は世界的なエネルギーと商品価格の変動の影響を受けたものの、上位100社の協同組合および相互扶助団体における事業の収益は平均年率27.1%で成長を続けました。

BCCMのメリーナ・モリソン会長(Melina Morrison、CEO)は、「このレポートは組合員所有事業の堅実な性質を示しており、組合員が所有する事業はそのスリムな運営構造により経済的不確実性に耐えるのに有利な立場にあることを示しています。」と述べました。

また、モリソン会長は「世界的な不安定性、パンデミック後の世界、気候変動への懸念が大きく迫る中、持続可能で公平な未来に向けた道を導くには、協力的で相互扶助に基づく企業がこれまで以上に重要になっています。」と述べました。

「見落とされがちですが、協同組合や相互扶助組合は主権能力を向上させるための国内インフラへの投資を通じてサプライチェーンを強化する上で重要な役割を果たしています。」

2021-22年度における協同組合および相互扶助団体(CME:Co-operative and MutualEnterprise)の売上高上位10団体

-CBH (西オーストラリア州:州都パース) :62億3,000万オーストラリアドル/5,966億4,710万円
-HCF (ニューサウスウェールズ州:州都シドニー) :35億2,000万オーストラリアドル/3,371億1,040万円
-Capricorn Society (西オーストラリア州:州都パース。保険部門はICMIF会員団体のCapricorn Mutual)        :29億3,000万オーストラリアドル/2,806億610万円
-RACQ (クイーンズランド州:州都ブリスベーン) :20億5,000万オーストラリアドル/1,963億2,850億円
-HBF Health (西オーストラリア州:州都パース): 18億6,000万オーストラリアドル/1,781億3,220万円
-Australian Unity(ビクトリア州:州都メルボルン): 13億6,000万オーストラリアドル/1,302億4,720万円

-RAC(西オーストラリア州:州都パース。ICMIF会員団体): 12億3,000万オーストラリアドル/1,177億9,710万円                                                                    -Teachers Federation Health(ニューサウスウェールズ州:州都シドニー): 8億6,300万オーストラリアドル/826億4,951万円
-RAA(南オーストラリア州:州都アデレード) 7億3,100万オーストラリアドル/700億787万円
-Catholic Church Insurance(ビクトリア州:州都メルボルン): 7億2,600万オーストラリアドル/695億2,902万円

※表示に段ズレが生じていますが、システムのバグよるものです。

業界の健全性指標である NME レポートは、シドニーで開催されたオーストラリアの 上位100の協同組合と相互扶助団体の CEO サミットで発表されました。

サミットに集まったCEOたちは、規模拡大のための成長機会や、組合員所有のビジネスが生み出す価値の測定方法など、このセクターが直面するさまざまな課題について話し合いました。

モリソン会長は「他の事業セクターと同様、オーストラリアの協同組合や相互扶助団体も海外の地政学的な出来事や、金利上昇や労働市場の逼迫といった国内の圧力によってもたらされる課題に取り組んでいます。」と述べました。

「しかし、重要なのは、協同組合と相互扶助団体がその回復力を証明し、近年多くのオーストラリア人に影響を与えたパンデミックや洪水、山火事の中でも好調な業績を継続していることです。」

「このビジネス モデルの特徴は長期にわたる事業継続(Longevity)で、上位 100 社の 68% は 50 年以上、事業活動をしています。」

銀行や金融サービスなどの主要部門の統合にもかかわらず、協同組合と相互扶助団体の数は2022年に若干増加し、前年度末の1832に対し、2022年度末には1848となりました。

NMEレポートによると、協同組合と相互扶助団体が最も多いのは金融サービス部門で、次いで医療保険、アグリビジネスが続いています。

また、2022年末時点でオーストラリアの協同組合および相互扶助団体の組合員は合わせて3,330万人(前年度の3,170万人から増加)で、少なくとも7万6,000人が雇用されています。

これまで以上に多くのオーストラリア人が少なくとも1つの協同組合や相互組合に加入しているが、BCCMによる直近の世論調査では、ほとんどのオーストラリア人にこのビジネスモデルの存在が知られていないことが明らかになりました。

「法律、会計、経営などの大学の授業で協同組合や相互扶助団体の存在が過小評価されていることが、このような認識欠如の一因となっていることは間違いありません。」とモリソン会長は述べました。

そして、「事業の堅調な業績と事業継続性を考えると、生計費やオーストラリア国民に対してのしかかるその他の圧力に対処するために、協同組合や相互扶助団体の支援を得る機会を逃したことになります。」と締めくくりました。

西オーストラリア州の穀物を取扱うCBHは、売上高62億3,000万オーストラリアドルと、2021会計年度の39億9,000万オーストラリアドルから大幅に増加し、純利益は4億9,770万オーストラリアドルとなり、オーストラリア最大の協同組合としての地位を守りました。「Ibis world Australia’s Top 500 Private Companies 2022」によると、CBHはオーストラリアで3番目に大きな民間企業でもあります。

CBHに続き、医療保険会社のHCF(35億2000万オーストラリアドル)、ICMIF会員団体のCapricorn Mutual)が保険部門を受け持つ自動車部品協同組合のCapricorn Society(29億3000万オーストラリアドル)、クイーンズランド州に本拠を置く自動車クラブRACQ (20億5,000万オーストラリアドル)が売上高の上位にランクインしました。

 

写真:ハリー・ロバートソン(Harry Robertson、HCF)CFO、メリーナ・モリソン会長

 

※ 文中の金額は1オーストラリアドル=95.77円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/australian-cooperative-and-mutual-sector-posts-revenue-growth-of-10-8-per-cent-despite-economic-uncertainty-says-new-bccm-report/

掲載日付2023.6.28