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フォルクサムグループ(スウェーデン)と世界銀行が食品のロスと廃棄物に関する行動を求める世界規模の呼びかけに参加

Michael Kjeller世界銀行は先月、国連の持続可能な開発目標のうち12.3 「2030年までに食品廃棄物を半減させる」において描かれた課題に焦点を当て、食品のロスと廃棄物への取り組みの大切さについての意識を高めるために、最初となる持続可能な開発債券を発行しました。

ICMIF会員であるスウェーデンのフォルクサムグループは、発行額3億USドルの3年債に単独で投資を行ないました。

世界銀行によると、毎年世界で生産される全食糧の3分の1が失われるか廃棄されています。食品のロスと廃棄物を世界の一つの国として見なした場合、三番目に大きい温室効果ガスの排出国となります。失われたり廃棄されたりする食物を生産するのに必要な資源は、約33億トンの二酸化炭素排出量に相当し、世界全体の年間排出量の8パーセントに当たります。

同時に、世界の人口の約半分が、飢餓、成長不良、主要栄養素の欠乏、肥満など、さまざまな形態の栄養失調に苦しんでおり、そのことが人的資源の開発を阻害し、コスト高な公衆衛生上の危機を引き起こしていると、世界銀行は説明します。

「この投資により、食料と資源の効率性の問題に注目を集めることができます。それは地球と人類の健康の両方に広範な影響を与える重要な持続可能性の問題です」とフォルクサムグループの資産運用責任者であるMichael Kjeller氏(写真)は述べました。「私たちは、すべての業務において資源効率を改善するための措置を講じながら、事業のあらゆる側面を通してこれらの目標を目指し努力しています。 これには、破損したお客様の所有物の再利用やリサイクルを支援したり、職場のカフェテリアで食品廃棄物をゼロにしたりすることが含まれています。あらゆる改善が重要であり、責任ある生産と消費という目標に、私たちがさまざまな方法で貢献できることを誇りに思います。」

過去2年間に、フォルクサムグループは世界銀行が発行した債券に100億クローナ(1クローナは約12円)以上の投資を行ってきました。フォルクサムグループは持続可能な投資を非常に重視しており、今年1月に北欧投資銀行(NIB)が発行した期間5年の「ブルー・ボンド」にも、他の2つのスウェーデンの年金基金とともに投資しています。

「現在の食料や他の資源の消費水準は持続不可能です。私たちは地球にこれ以上の害を与えずに、増え続ける人口を養う方法について大急ぎで考える必要があります」と、世界銀行のヴァイスプレジデントで資金調達責任者のJingdong Hua氏は述べました。「この債券に関するフォルクサムグループとのパートナーシップを通じて、グローバルなこの課題に投資家の注目を集めるとともに、フォルクサムが自分たちの事業を通じてこの課題へのソリューションを支援可能だということを強調したいと思います。」

「2030年までに世界的に1人当たりの食品廃棄物を半減させ、サプライチェーン全体の食品ロスを減らすことは、気候変動への取り組みや、乏しい資源を管理し栄養を改善するために不可欠です。」と、世界銀行の持続可能な開発担当ヴァイスプレジデントのLaura Tuck氏が説明します。「本日の債券発行は、この重要な分野で進歩を遂げるための革新的な資金調達の可能性を示しています。」

国際復興開発銀行(IBRD)(通称:世界銀行)は、インフラストラクチャー、市場・物流へのアクセス、そして廃棄物管理への投資を通じて、「農場からフォークまで」の食品のロスや廃棄物に対処するため、中所得国に支援を提供しています。例えば世界銀行は、トウモロコシ、小麦、豆の収穫後のロスを減らすためにメキシコでの穀物貯蔵施設に資金提供をしつつ、中小穀物生産者の競争力を高め市場参入を進めています。

国際復興開発銀行(IBRD)は189か国が加盟し所有するグローバルな開発協同組合です。世界最大の開発銀行として、中所得国や信用度が比較的高い低所得国に融資、保証、リスク管理商品、アドバイザリー・サービスを提供し、地域や世界的な課題への対応を調整することを通じ、世界銀行グループの使命を支えています。

第二次世界大戦後のヨーロッパの再建を支援するために1944年に創設された国際復興開発銀行(IBRD)は、最貧国向けの基金である国際開発協会(IDA)と一緒になり世界銀行を形作りました。国際復興開発銀行は、世界銀行グループのすべての機関、および発展途上国の公共部門および民間部門と緊密に協力して、貧困の削減と繁栄の共有のために働いています。

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.4.3