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インドの恵まれないコミュニティで約30万人に相互扶助のマイクロインシュランスを提供するダーン・ファンデーション

DHANICMIFのインド会員であるダーン・ファンデーションDHAN Foundation、以下「ダーン」)は現在、低所得で恵まれないコミュニティの、以前は保険非加入だった約30万人に医療あるいは生命対象のマイクロインシュランスによる保障を提供しています。

これは、2017年4月に開始された、ICMIF 5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略(「5-5-5戦略」)に基づくダーンのプロジェクトによる成果です。ダーンはICMIFと提携して、5年間で医療や生命、あるいは家畜にかかる相互扶助のマイクロインシュランスを100万人に新たに提供することを目標としています。

ダーンのエグゼクティブ・ディレクター M P Vasimalai氏は次のように述べています。「ダーンとICMIFの間の協調関係の進展に満足しています。ダーンは、相互扶助を通じて何千もの家族を結び付け、貧しいコミュニティが自らの脆弱性とリスクに対処するための独自のニッチを提供しています。」

ダーンによる5-5-5戦略プロジェクトの開始以来、インドの18地区で287,361人が生命または医療のマイクロインシュランスに加入しています。ダーンではまた、保障に加え保険契約者に対してリスク軽減にかかる各種取り組みを実施しています。たとえば、プロジェクトの初年度には、54,695人のダーン会員が保険知識を学ぶトレーニングを受けました。女性を経済的に自立させ男女平等を推進するためには、女性に対する経済面の教育が重要な役割を果たすことから、2年目には1,000人を超すコミュニティ指導者が財務管理についての研修を受けました。

これらの成果は、5-5-5戦略を通じてICMIF会員16団体がダーンのプロジェクトに対して提供した財政的および技術的な支援により可能となりました。

具体的には、Achmea (オランダ)、American Agricultural Insurance Company(米国)、FMG(ニュージーランド)、コープ共済連(日本)、LB Group(デンマーク)、San Cristobal(アルゼンチン)、Sancor Seguros(アルゼンチン)、Seguros Unimed(ブラジル)、UNMI(フランス)、Thrivent Financial(米国)、Tuw Tuw(ポーランド)、大学生協共済連(日本)、Unipol Gruppo(イタリア)、UNIVE Dichtbij(オランダ)、JA共済連(日本)、全労済(日本)がこれまでにダーンのプロジェクトに支援を提供しています。

ICMIF財団のCEOであるSabbir Patel氏は次のように述べています。「ダーン・プロジェクトの当初2年間においてICMIF会員から提供いただいた支援に心から感謝いたします」、「プロジェクトはいま3年目に入ろうとしており、再びICMIF会員の皆様からの支援をお願いしたいと思います。頂戴した支援は、組織のインフラストラクチャとITシステムの改善、職員研修、潜在的加入者および既存保険契約者向けの相互扶助のマイクロインシュランスのメリットに関する新規の説明用資料の作成、そして保険契約者向けの保険知識習得研修シリーズの再度の実施などを通じ、ダーンがより多くの低所得層の人々に保障を提供するという目標の達成に役立ちます。」

これまでのプロジェクトの進捗は、プロジェクトの第2回年次検討会において議論されました。この会議は、2019年3月4日の週にインド・マドゥライにあるダーンの本部事務所で開催され、ダーンの保険部門であるPeople MutualsのCEOに最近任命されたAhila Devi氏を含むプロジェクトの主要な関係者が出席しました。

オランダのICMIF会員企業であるAchmeaにおいて事業・財務統括マネージャーを務めるDennis de Haan氏も、ICMIF財団への技術支援の一環として年次検討会に出席しました。 同氏の派遣目的は、ダーンの運営と事業にかかる計画を見直すことでした。

5-5-5戦略の技術支援プロジェクトは、ICMIFの会員がいずれかのプロジェクト国にスタッフを派遣し、(当該スタッフおよび自組織にマッチした特定期間において)任務を遂行してもらうことで、完全に独自の方法でスタッフを育成でき、また、経営者および職員の研修、事業運営システムの開発、マーケティング、製品開発、影響評価などの取り組みを通じて支援が可能です。ICMIF会員企業の従業員が行なった5-5-5戦略に対する過去の技術援助派遣についての詳細はこちらでどうぞ。

ダーンの保険加入者の声

ダーンの保険契約者Paramasivam氏は、南インドのタミル・ナードゥ州マドゥライの市街地にあるプアーで長年暮らしてきました。彼は自転車修理店で働いており、扶養家族がいます。彼は最近病気になり3泊入院しました。通常は、治療の前に予め費用の支払いが求められますが、多くの保険未加入の低所得者はそれを賄うだけの手持ち資金がないため医療を受けることができません。しかし、Paramasivam氏はダーンの医療保険を使い必要な治療を受けることができました。

Paramasivam氏は、「もし他の病院に行けば、治療費を前払いしなければならなかったでしょう。手持ちのお金がなければ、工面するために金貸しのところに行ったはずです。保険に加入していたので必要な時に助かりました」と話します。

Paramasivam氏の声をさらに聴く場合はこちらのビデオをご覧ください。

ダーン・プロジェクトの詳細と支援方法については、Naomi Davison(naomi@icmif.org)までお問い合わせください。

ダーンについて

ダーンは、取り残されたコミュニティの貧困削減を目的として1997年に設立されました。ダーンは、草の根レベルでコミュニティに力を与えるという原則に基づいて活動しています。リスク管理は、持続可能な生活を確保するための主要な取り組みの1つです。ダーンは、生命、医療、家畜および作物のリスクを管理するための地域密着型相互扶助の保険の包括的な成功モデルを発展させてきました。

ICMIFの5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略について

ICMIF 5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略は、5つの新興市場(コロンビア、インド、ケニア、フィリピン、スリランカ)を基盤とする5年間のプロジェクトであり、保険未加入の500万世帯(2,500万人に相当)に保険を提供することを目的としています。5-5-5戦略は、国連の2030年持続可能な開発目標(SDGs)のうち少なくとも5つの目標について具体的な支援をするものです。5-5-5戦略のガバナンスは、イングランドおよびウェールズに登録された慈善団体であるICMIF財団によって監督されています。

5-5-5戦略は、財政的または技術的支援プロジェクトを通じて、先進国におけるICMIF加盟団体ならびに同じ志を持つ他の組織によって支援されています。

ICMIF5-5-5サイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.4.25