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気候変動の影響を受ける国々の保険普及推進に向けたコミットメントに関しICMIFが提携へ

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国連、ドイツ、英国、および保険業界は、国連事務総長の気候サミットの前夜(2019922日)に、最も脆弱な国々の気候変動に対する強靭性を高めることを目的とした一連の共同コミットメントを発表しました。

これらのコミットメントを策定したチームは、国連開発計画(UNDP)、ドイツ連邦経済開発協力省(BMZ)、英国国際開発省(DfID)、および保険開発フォーラム(IDF)です。主要なデリバリー・パートナーシップは、保険開発フォーラム、InsuResilienceグローバル・パートナーシップ、および国際協同組合保険連合(ICMIF)のメンバーとの既存のワーキンググループおよびアライアンスに基づいて構築される予定です。

コミットメントは、InsuResilienceグローバル・パートナーシップの「ビジョン2025」を実現するため、リスク管理の専門知識と資本の面で貢献するものですが、これは、グローバルなレジリエンスと適応という大きな目標の一部として、既定のリスクファイナンスおよび保険メカニズムの利用の大幅なスケールアップに向けてグローバルなプレーヤーを結集します。これには、5億人の人びとへの災害および気候によるショックに対する保障の提供や、気候・災害による損失がリスクファイナンスと保険によってカバーされる比率の毎年の増加が含まれます。

「私たちは、気候変動がより頻繁に発生し、より深刻な暴風雨、洪水、干ばつを引き起こす極めて重要な瞬間にいます」、「私たちの環境、水資源、生物多様性は、汚染、海洋温暖化、海面上昇、絶え間ない気温上昇の攻撃にさらされており、保険とリスクファイナンスは、これらの問題に適切に取り組むための重要な手段です。国連開発計画は、リスクのファンダメンタルズおよびリスクファイナンスを主要な開発プロセスに組み込みながら、包摂的保険(inclusive insurance)、保険投資(insurance investments)および自然資本(natural capital)にまたがった取り組みを行ない、リスクファイナンスと保険ポートフォリオを大幅に拡大することを約束しています」と、国連開発計画(UNDP)総裁のアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)氏は述べています。

国連開発計画は、下記の多くのメカニズムを通じて国レベルの変化を推進すると述べています。

実行:国連開発計画の経験を活用してリスク管理の課題を各国との開発履行に組み込む。

規制および法的枠組みへの支援:(保険業界の強い支援のもと)より優れた気候リスク管理とリスクファイナンスを可能にするべく、ベストプラクティスに基づく規制と法的枠組みの開発を協調して整備。

これには、国と保険業界との共同で、分析および気候リスクのモデリング作業を国の重要な開発プロセスに統合するための、国に対する技術支援が含まれます。それらの中には、国の開発計画、地域計画、国が決定する貢献、国の適応計画などが含まれます。

また、国連開発計画はプロジェクト管理のサポートを提供し、プログラムの支援の中で対象政府の協力パートナーとしてそのカントリー・オフィスを積極的に活用します。

ICMIFとその会員には、包摂的保険の分野で活動し、低所得で脆弱なコミュニティに保険を提供する取り組みを行なってきた長年にわたる歴史があります。

2015年、ICMIF事務局長のショーンターバックは、COP21会議において、5年間に5か国( コロンビア、インド、ケニア、フィリピン、スリランカ)で500万世帯の生命を保障することを目的とするICMIF 5-5-5相互扶助マイクロインシュランス戦略(「5-5-5 戦略」)の開始を発表しました。その究極の目的は、低所得者が貧困から抜け出すことです。

低所得層の保険、いわゆるマイクロインシュランスは、自然災害と人災、特に気候変動の結果として発生する災害に対するコミュニティの貧困緩和とレジリエンスの構築のための不可欠なツールとして、いまやしっかりと受け入れられています。

5-5-5戦略の対象コミュニティが気候変動に対して最も脆弱であるという事実から、相互扶助のマイクロインシュランスは、国連2030持続可能な開発目標SDGs)の目標13「気候変動へのアクション」を特に支援することができます。

ICMIFの最新データによると、2016年に5-5-5戦略が開始されて以来、この戦略を通じて170万件の相互扶助のマイクロインシュランス契約が締結され、いまや850万人に相当する人たちが相互扶助のマイクロインシュランスにより保障されていると推計されます。これらの人たちは、自らの生計を守り、予期せぬリスクに直面して貧困に陥るのを防いでくれる保険の「セーフティネット」を手に入れています。

ICMIFを代表して、ターバック事務局長は次のように述べています。「私と幾人かの保険業界のリーダーたちがニューヨークの国連総会で保険の重要性について最初に話してから5年経ちます。当時、保険はグローバルな政策立案者の目を引くものではありませんでしたが、現在では国連2030アジェンダを実現するためのソリューションの不可欠な一部分と見なされています。過去5年間で私たちは確実に大きな進歩を遂げており、保険開発フォーラム(IDF)は、保険業界および政府や国連の新たなパートナーに対し、私たちの努力を伝えるべく発信をしてきました。ICMIFは、このエキサイティングな新しい公的部門、民間部門、相互扶助部門によるパートナーシップが、より良い世界を作るのに役立つことができ嬉しく思います。」

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.9.23

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