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CLIMBS(ICMIF会員・フィリピン )の協同組合教育の旅が2019年を通して継続

CLIMBS masterclass協同組合カレッジがICMIFと共同で企画した協同組合エグゼクティブ・マスタークラスが、2019年11月25日(月)に英国マンチェスター近郊のICMIF事務所で開催されました。このマスタークラスは、ICMIF会員組織のCLIMBS生命・損害保険協同組合(フィリピン、以下、CLIMBS)の代表団およびフィリピンの他の協同組合組織からの参加者のために開催されたものです。

マスタークラスでは、次のようなトピックに焦点が当てられました。

■ 協同組合のリーダーは、どのようにグローバルに考え、そしてローカルに行動するか

■ どのような価値観が協同組合のリーダーを創るのか、そしてその理由

■ 価値を重視した、適応性があり倫理的なリーダーシップ・アプローチの採用方法

マンチェスターにおけるこの11月のマスタークラスは、CLIMBS の子会社であるCLIMBS金融リテラシー研究所(CIFL)が協同組合カレッジと提携した認定エグゼクティブ教育プログラムを、2019年初旬にグローバル協同組合エグゼクティブ・マスタークラス(2019年2月21~23日、マニラ)という形で初めてフィリピンに導入した際に築かれた両者の関係を引き継いでいます。

2019年2月のマスタークラスには、フィリピン各地のさまざまなタイプの16の協同組合を代表する20人以上が参加しました。活動のハイライトの1つは、CLIMBSの社長兼CEOであるノエル・D・ラボイ氏と、協同組合カレッジの校長兼CEO(当時)であるサイモン・パーキンソン氏が、お互いの組織を代表して交わした提携契約の調印式でした。

CLIMBSと協同組合カレッジの提携について

CLIMBSと協同組合カレッジのパートナーシップは、2017年11月にマレーシアで開催された国際協同組合連盟(ICA)世界大会にCLIMBSが参加したことがきっかけで始まりました。「協同組合と仕事の未来」に着目したセッションで、CLIMBS金融リテラシー研究所が、協同組合指導者のトレーニングと教育における持続可能かつ包摂的なモデルとして取り上げられました。そして協同組合教育に関するワークショップ・セッションの1つが、将来的な協調についての両組織間の有意義な話し合いにつながったのです。

CLIMBSは、その教育研修部門であるCLIMBS金融リテラシー研究所を通じて地域のリーダーたちを世界的なネットワークに結びつけ育成し続けており、協力と継続的な学習の価値に献身的に取り組んでいます。

協同組合カレッジ100周年大会へのCLIMBSの参加

また、CLIMBSのノエル・ラボイ氏(社長兼CEO)、エルモ・マンチング氏(会長)、リト・アスティレロ氏(ディレクター)、ドナ・ディゾン氏(副社長(管理・経営企画担当)兼CLIMBS金融リテラシー研究所エグゼクティブ・ディレクター)、ブレシルダ・クーンバ(副社長(マーケティング担当)は、2019年11月26〜28日にロッチデール(イギリス)で開催された協同組合カレッジ100周年記念大会にも参加しました。

この3日間のプログラムは、協同組合教育を独自なものとするのは何であるかや、社会の抱える大きな課題の一部に対していかにして根本的な解決策を提供できるのかを探求するきっかけを参加者に提供するため、協同組合カレッジが企画しました。参加者たちは、世界中から参集した講演者や、共に学び現状を打破するための独自手法を開発している専門家に会いその意見を聞く機会を得ました。

ノエル・ラボイ社長兼CEOは、「世界各地の協同組合教育」の全体セッションに参加しました。このセッションは、英国協同組合連合会(Co-operatives UK)事務局長のエド・メイヨー氏が座長を務め、英国、カナダ、ケニア、ソマリアのパネリストや講演者が加わりました。

このセッションでは、上記の4か国で協同組合教育がどのように行われているかを調べ、これらの各地域で(あるいは世界の協同組合関係者にとって)これらの教育事例がどのようなニーズを満たしているのか、そしてどのようにコースやプログラムを提供しているのかについて議論しました。セッションはまた、自分たちの仕事が及ぼす影響や、講演者が協同組合教育の実践にとってどのような将来の機会と課題を見通しているのかを確認しました。

また、ドナ・ディゾン氏(副社長(管理・経営企画担当)兼CLIMBS金融リテラシー研究所エグゼクティブ・ディレクター)は、サイモン・パーキンソン氏が座長を務めイギリスおよびインドからのパネリストが参加した、「より良い世界のための教育-アイデア、計画、提案」と題するパネルセッションに参加しました。

このセッションでは、社会が直面している大きな問題、すなわち気候変動、食糧面の貧困、オートメーションと労働慣行の両面で変化する仕事の質、暴力犯罪の増加、人口の高齢化とそれに伴う健康と幸福への懸念、それらすべての問題に効果的に取り組むには、協同組合のアプローチが必要であるとの主張がなされました。

パネリストたちは、コミュニティに立脚した協同組合の教育と学習に新たに焦点を当てることが、直面する問題への対処にどのように役立つか、そしてCLIMBSの例のように、異なったグループをまとめ、コミュニティが自助できるように手助けする協同組合的なアプローチの事例が世界において存在しているかどうかを検証しました。

ラボイ社長は、特に協同組合運動が始まったロッチデール開拓者博物館への訪問によって、この大会がCLIMBS代表団にとって豊かで刺激的な経験となったと語ります。大会後にラボイ氏は、「現代においては、協同組合が持続可能であるためには、おそらく配当率と利益剰余金にこだわること(引き続き有効ではあるものの)から、次世代の協同組合人である若者について考えるように思考パターンをシフトする必要があります。彼らはどこにいるのでしょう?若者が、最初の協同組合リーダーであるロッチデールの先駆者のような情熱と熱意を持てる、そして彼らに協同組合運動に参加してもらえるようなプログラムを考え出すべきです。私たちは、協同組合の価値と原則を完全に受け入れ全うしているでしょうか?私たちは、新たな戦いの雄叫びを返します。それは、次世代の協同組合人のための新しい革命なのです。私たちは、私たちの運動を統一・強化し、コミュニティを大切にし、コミュニティを持続可能かつ回復力のあるものにするための教育を必要としています。それが社会的影響に対する私たちの新たなコミットメントなのです」と述べています。

イギリス滞在中に、CLIMBS代表団はICMIF賛助会員であるWillis Reのアレンジによりロンドンのロイズを訪問しました。

これにより、シンガポールでのICMIFアドバンスト・マネジメントコース(AMC)をはじめとするさまざまなイベントが含まれた、CLIMBSによるICMIFとの1か月にわたる相互交流が締めくくられました。ドナ・ディゾン氏のAMCへの出席には、ICMIFアジア・オセアニア協会(AOA)の奨学金が提供されています。また、CLIMBSからの数名の代表者が、オークランドで開催されたICMIF大会(ニュージーランド、11月12〜15日)にも参加しました。

写真:CLIMBS訪問団員とサイモン・パーキンソン(元協同組合カレッジ)、マイク・アシャースト(ICMIF再保険・人材開発担当ヴァイスプレジデント)、ベン・テルファー(ICMIFビジネスインテリジェンス担当ヴァイスプレジデント)
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.12.19

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