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AMベストが格付先の保険会社に対しパンデミックに関するストレステストを導入へ

ICMIF協賛会員である格付会社AMベストは先週、格付先の保険会社のバランスシートに関して、COVID-19(新型コロナ)ウイルスの悪影響が、リスク調整後自己資本の水準、投資ポートフォリオ、準備金の充分性、被格付企業が保有するその他のリスクの状況に及ぼすインパクトを測定するストレステストを準備中であると発表しました。

AMベストによれば、COVID-19ウイルスは潜在的な損失の範囲と複雑さにおいて独特であり、短期的な影響に関する不確実性が状況をさらに悪化させます。その結果、大発生の直接的および間接的な影響は、当面完全に把握されない可能性があります。AMベストは過去に、アメリカ同時多発テロや欧州危機などの前例のない出来事を受けて、この種のストレステストを実施しました。米国においては、現在の経済状況が、生命保険や年金を扱う会社のバランスシートに対して、損害保険や医療保険を扱う会社に対するよりも強く影響を及ぼす可能性が高いと見られており、AMベストは2020年3月16日に米国の生命保険・年金業界の市場セグメントの見通しを否定的に変更しました(関連のプレスリリースをご覧ください)。

AMベストはプレスリリースで、流動性リスクがメインだった2008~2009年の金融危機の時よりも、現在の金融市場の落ち込みに対する保険業界の回復力は高いと考えていると語っています。状況が急速に変化してはいますが、現時点において、格付先企業はその責任を果せると見込まれているようです。今後行われるストレステストでは、流動性へのアクセスや、保険会社の資本構造における債務証券の償還構成がさらなるポイントとなる予定です。

AMベストは、企業にとって追加的情報を示すのが困難な時期であることを理解しており、このため同社はクライアント格付ポータルを通じて、2019決算年度の補足格付質問票(SRQ)の提出締め切りを2020年5月1日まで1か月遅らせることとしました。また、格付先保険会社には、パンデミックによって事業がどのように影響を受けたか、どの事業分野が最も悪影響を受けると予想されるか、あるいは全体的な前提や予測が変化すると見込んでいるかどうかを判断するためにアンケートが送られます。AMベストは、各社が独自に行なうストレステストの結果提出も求めます。これは通常、それぞれの格付項目のエンタープライズ・リスク管理フレームワークの評価において考慮されます。

当然ながらAMベストは今後も最新情報を提供し、格付企業への財務上の影響を注意深く見守り、必要に応じて信用格付を更新します。

新型コロナウイルスが保険業界に及ぼす影響を評価するためにAMベストがどのようなステップを踏んでいるかについては、AMベスト格付サービスの副社長兼最高執行責任者James Gillard氏とシニア・マネージングディレクター兼最高格付責任者Stefan Holzberger氏による対談ビデオをご覧ください。

AMベストはまた、自社の社員、格付先企業の従業員とすべての利害関係者の健康と安全に関して組織として十分に認識しており、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するためにテレビ会議などの予防策を講じていることを付け加えました。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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