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P&Vグループ(ベルギー)が有力な臨床心理学者と提携しロックダウンのメンタルヘルスへの影響に関して支援するオンラインツールを開発へ

世界中の多くの人々が直面している新型コロナウイルスのロックダウンは、ウイルスの拡散を遅らせるかもしれませんが、2週間後には不安や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を引き起こす可能性があります。これを受け、ベルギーのICMIF会員団体である P&Vグループは、ストレスレベルを下げ、メンタルヘルスの深刻な問題を識別する無料のオンライン心理療法治療ツール「Everyone OK?」の開発を支援してきました。

この治療ツールは、ストレス、 燃え尽き症候群、心理的外傷の分野における権威である臨床心理学者の Elke Van Hoof 教授が率いる Ally Institute が取り組んでいるものです。Van Hoof 教授は20年以上にわたりストレスに苦しむ人々を導いてきました。

「外傷心理学者として、困難な時代において人々を導くのが私の仕事です。この遠隔治療に関する私の使命は、できるだけ多くの人々を導き、心理的に非常にストレスの高いこの時期にあって心を穏やかにするのを助けることです」と Van Hoof 教授はコメントしています。

Ally Instituteが開発した「Everyone OK?」は、人々が感情的な混乱に打ち勝ち、冷静さとバランスを回復できるよう支援するデジタル治療ツールです。このプロジェクトは、ベルギーの協同組合保険グループであり、P&V および Vivium のブランドを通じて保険ソリューションを提供している P&Vグループの支援を受けて誕生しました。

P&V執行委員会のメンバーである Sophie Misselyn氏は次のように述べています。「P&Vグループは連帯、協力、近しさといった価値観を信奉しており、社会生活のあらゆる側面に深く関わっています。その使命のもと、 P&Vグループは長年にわたりメンタルヘルスなどの予防に取り組んできました。そのため、このプラットフォームをサポートすることで、このストレスの強い時期を通じて人々が安心してバランスを取れるよう支援することができますが、その他の危機的な状況においても頼れる何かを提供することができます。また、この例外的な時期において、雇用者が従業員に対してメンタル面での支援を行うのを助けることができます。」

ロックダウンはコロナウイルスの拡散を遅らせる可能性がある一方、心理的な影響も大きなものがあります。医学雑誌『The Lancet』に掲載された研究によると、ロックダウンによる結果は、不安、神経過敏、集中困難、抑うつ症状、睡眠障害といったストレス関連疾患でも見られる症状と一致することが示されています。14日目が転換点であることがわかっています。スポーツクラブに出かけたり家族を訪問するなどの日常生活が止まり、退屈がやって来ます。社会的接触の欠如、孤独感、孤立感は多くのストレスを伴います。

Van Hoof 教授は自らの20年間の実務経験に基づいて、「他人とのつながりが長期間失われ、ウイルスの流行が改善の見込みがほとんどないまま続くと、長期的なストレスの症状が増加する可能性があります。これは不安と心的外傷後ストレスに発展する可能性があります。不安やストレスに圧倒されていると感じている人々は、できるだけ早く取り組まなければならず、役立つルートを探す必要があります」と述べています。

このプラットフォームは、一人あるいは他の家族と一緒に行なうように設計された治療を提供します。その治療は EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)の R-TEP および G-TEPプロトコールに基づきます。世界保健機関(WHO)によると、EMDRはトラウマへの対処の代表的存在であり、WHOではその治療の利点は科学的に証明(根拠に基づき科学的に検証された)されていると考えています。

この治療は利用者の85%にとって、ストレスレベルを低下させ、外傷後ストレスのリスクを防止するのに十分なものといえるでしょう。残りの15%については、各自のかかりつけの総合診療医に問い合わせるよう助言します。

Van Hoof 教授は、「外傷心理学者として、困難な時期に人々を導くのは私の仕事です。一人でも多くの方々が、日常生活の中で起こっている感情的な動揺を乗り越えるお手伝いをしたいと思います」と述べました。

治療には約90分を要し、「導入」・「現状のスクリーニング」・「準備」・「治療」・「事後スクリーニング」の各段階に分かれます。治療は、単独またはグループで行うことができ、人々が孤独で孤立していると感じることを減らし、その結果、ストレスを与える要因を通じてより簡単に機能します。この治療を受けた家族はより強くなれるでしょう。それによって、利用者は良好なメンタルヘルスの状態で、ロックダウンが見込まれる期間を乗り切ることができます。この治療は個別にも行うことができます。

ウェブサイトhttp://www.everyoneok.be/(英語、フランス語、オランダ語に対応)で無償で治療の相談を行なうことができます。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています

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