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その他のニュース

ICMIFブログ記事から: 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)についてスイス再保険の専門家が語る

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関し、ICMIF協賛会員のスイス再保険Swiss Re)はその最近の記事の中で、スイス再保険研究所(Swiss Re Institute)の3名のソートリーダーとそれぞれの専門分野について語った内容を共有しました。同社の許可をいただき、その記事をICMIF会員の参考のために最新のゲスト・ブログとして転載()いたします。
※ 2020年4月28日時点での転載です
In a recent article ICMIF Supporting Member Swiss Re shared three conversations with three of Swiss Re Institute’s thought leaders. We are pleased to share this article as our latest guest blog. The article is reproduced for the benefit of ICMIF members with the kind permission of Swiss Re.

 

スイス再保険は、さまざまな分野の専門家を集めて新型コロナウィルス感染症COVID-19)に関する見方を共有します。私たちは、この不確実かつ急速に変化していくテーマについてすべての答えがあるわけではないものの、対話を増やし、シナリオについて話し合い、可能な限りいつでもどこでもつながることが重要であると考えています。まず、グループ・チーフエコノミストのジェローム・ヘーゲリJerome Haegeli)氏、続いて生命・行動R&D責任者のクリストフ・ナブホルツChristoph Nabholz)氏、そしてエマージング・リスク調査部門リードで疫学者のスティーブン・クレーマーStephen Kramer)氏からそれぞれ話を伺いました。

スイス再保険研究所 グループ・チーフエコノミスト  ジェローム・ヘーゲリ氏

COVID-19の拡大による世界経済への影響は?

ヘーゲリ:すでにCOVID-19の拡大により世界的な景気後退に陥っていることは明らかです。ここで重要なのは、どの程度の深刻さで、どのくらいこの状況が続き、どのように回復していくのかということです。現時点においては、世界的な景気後退は大きく、2020年は少なくとも世界全体で1%程度の成長に減速するものとみています。ユーロ圏では、景気の後退がマイナス4.0%からマイナス4.5%の大きさになると予想されています。米国の景気後退も大きな数字になるものと私たちは見ています。

2008年の世界金融危機との違いは何ですか?

ヘーゲリ:世界の経済成長への影響という点では同等とみています。しかし、今回の景気後退は2008年の金融危機がもたらした景気後退の倍の速度で進行しています。さらに、当四半期の成長へのマイナス影響は、世界金融危機当時と比較して少なくとも倍の強さです。そして、時間軸の不確実性という要素も加わります。これまでの危機が突然のショックとして発生したのに対し、COVID-19の爆発的拡大(パンデミック)はグローバルなシステムに対しての緩やかに拡大し進化するショックであり、シナリオの評価を全く困難にしています。経済が回復への道を歩み始めるまでにはまだ何か月もかかり、現時点ではマクロ経済と金融市場への影響がおそらく2四半期から3四半期は続くものと予想しています。

世界経済の回復力は十分ですか?

ヘーゲリ:まあ、良いニュースとしては、長い時間を経て経済活動が再び上昇に転じるということです。私たちは、2021年には世界景気が回復すると見ています。私たちの調査では、2008年以前と比較して回復力がかなり低いことは明らかです。COVID-19の衝撃が発生する前から、世界経済は弱体化しており、この深い景気後退から抜け出すには長い時間がかかると覚悟しなければなりません。

今後数年間における懸念事項は何ですか?

ヘーゲリ:わたしの大きな関心事の一つが中央銀行です。金融市場が動揺し苦境に陥っている中で、中央銀行は再び介入せざるをえませんし、それもかなり大規模に行う必要があります。それが長期間にわたり常態化することが予想されます。私は金融市場のインフラと政府の役割の将来について心配しています。彼らは再び財政を引き締めることができるのでしょうか。もう一つの懸念事項はインフレです。再びインフレが来ると言っているわけではないのですが、私たちのレーダーには捕捉されています。「スタグフレーション()」は間違いなく、保険市場の参加者として私たちが注視する重要なシナリオです。

※ スタグフレーション:景気後退と物価上昇(インフレ)が併存する状態

この景気後退を乗り切るため特に提案はありますか?

ヘーゲリ:このような非常に不安定な時代には、落ち着いて心を開くことが必要です。私の提言は、引き続き長期的な視点で考え、長期的な投資家であり続けることです。また、潜在的なシナリオを評価し続けることも必要です。一部の企業では、今後1~2年間で価値提案が変わり、別の戦略が必要となる場合があります。最後に、現実的でありつづけ、金利が正常に戻ることは期待しないことをすべての人にお勧めします。

 

『すでに世界的な景気後退局面に入っていることは明らかです』
 スイス再保険研究所 グループ・チーフエコノミスト  ジェローム・ヘーゲリ氏

スイス再保険研究所 生命・行動R&D責任者  クリストフ・ナブホルツ氏

COVID-19を過去の動物由来感染症と比較すると何がわかりますか?

ナブホルツ:私たちは2002年にSARS、2012年にはMERSと、2つの類似したコロナウィルス感染症の事例に対応した経験があります。COVID-19に関して、私たちはすでに人口構成とリスクのある集団に関する学習を済ませています。報告された症例を見ますと、COVID-19は高齢者層に対して特に影響を与えることがわかります。例えば、スイスにおいてこれまでCOVID-19に感染が確認された患者の年齢の中央値は52歳であり、入院患者では70歳、死亡患者は83歳でした。一方、中国の患者の平均年齢は53歳、イタリアでは63歳でした。もちろん、封じ込めの点でも大きな違いがあります。SARSやMERSの場合は極めて効果的に封じ込めることができましたが、COVID-19は世界的規模で感染拡大が続いています

COVID-19がSARSやMERSのように封じ込めできなかった理由は何ですか?

ナブホルツ:死亡率が高いほど拡散が少ないことを示唆する理論的根拠があります。一方、死亡率が低いとウィルスの拡散を助長することになります。これはいま私たちが目にしていることです。SARSの致死率は10%と高く、MARSは37%でした。これらの劇的な致死率は、初期段階での早期の封じ込めにつながり、ウィルスがさらに拡散する機会はほとんどありませんでした。COVID-19に関する世界全体の現在の致死率(確認された症例のみが分母)は約4.5%、中国では2.4%です。いわば、これによりCOVID-19が気付かれずに拡散できたのです。

 

『私たちは中国から学ぶことができますし、学ぶべきです。彼らはCOVID-19がわずか400件しか発生していなかったときに迅速に行動を起こしたのです』
 スイス再保険研究所 生命・行動R&D責任者  クリストフ・ナブホルツ氏

 

今行なわれているロックダウン措置は効果的ですか?

ナブホルツ:私たちは中国から学ぶことができますし、学ぶべきです。彼らはCOVID-19がわずか400件しか発生していなかったときに迅速に行動を起こしたのです。彼らは武漢市全体を閉鎖し、その翌日には湖北省全体を閉鎖しました。私たちはこの疾患のタイムラインと発生状況を分析しました。すべての店舗を閉鎖し、ソーシャルディスタンスを義務付けるロックダウンモードに入ると、中国の場合10~12日で感染者数の増加曲線が下降し始めたことがわかります。その後数週間のうちに新規の感染率は低下し、最終的には解消します。つまり、対策が講じられていれば中国が示したようにパンデミックは管理できます。

感染症の治療に関して何が起きていますか?

ナブホルツ:現時点でこれといった治療法はありません。いくつか試されている薬はあり、マラリヤの治療薬はある程度の効果が認められたことから治療に使用されていますが、しかし、市場には何も出てきていません。ただし、現在400件の試験が行われており、この面で多くの活動が行われています。また、エボラ出血熱やHIV患者に以前から使用されている抗ウィルス薬など、すでに臨床試験中のものもあります。繰り返しになりますが、現時点で特効薬は何もありません。今のところ、人命を助けるには臓器機能を保護するしかありません。

世界中の病院や診療所はどのように対処していますか?

ナブホルツ:大きな違いがあります。武漢では2月6日時点で10,000件の症例がありましたが、28の病院で8,000床の患者用ベッドしか準備できていませんでした。彼らは、病床を増設するための工事や病床の転換を緊急に行いました。利用可能な病床数は、都市や地域が危機をいかにうまく管理できるかを示す良い指標です。状況の厳しさを印象付けるもう一つは、武漢ではわずか400人の症例で対応を行ない、他の大半の国ではさらに多くの症例が発生するまでロックダウン措置の発動を待っていたことです。世界の国々が必要な能力の提供に追いついてきているのは良いことですが、その準備はまだ遅れていいます。

インペリアル・カレッジの最近の研究()によると、各国が早く行動すれば数百万人もの命が救われる可能性があるとのことです。これはインパクトがあったようですね?

ナブホルツ:確かに。彼らは英国の医療システムについてストレステストを行い、緊急に必要とされる課題の大きさを明確に示しました。この研究では、英国と米国の両方にとっての最悪シナリオを示しており、この数値は強力な行動を促すものでした。このレポートでは、もし何も対応が行われなければ、COVID-19により英国で最大51万人、米国で220万人が死亡する可能性があることが示されました。幸いなことに、行動への呼びかけが守られ、今日私たちが知る限り、計画されている対応はすべて感染者数の曲線にかなり影響を与えるはずであり、それと同時に医療システムが崩壊しないように努める必要があります。

※ インペリアル・カレッジ(英国、ロンドン)のコロナウィルス対策チームが3月16日に発表したレポート

この危機が消費者の行動に与える影響について教えていただけますか?

ナブホルツ:私たちの行動研究ユニットは現在、人口全体にわたる恐怖の要因を見ています。一方で、死亡リスクの顕著性の大幅な高まりにより、リスクに対するはるかに大きな認識が生じています。人々は保険による保障を求めており、そこにはあまり保険に縁がなかった若者も含まれています。他方では、英国で行われた最近の調査によると、驚くべきことに45%の人がCOVID-19で死亡した場合に保険会社は生命保険金を支払わないと考えていることがわかりました。45%ですよ!今こそ、世界中の保険会社が立ち上がり、正しい説明を行なうことが求められます。消費者は私たちを信頼することができ、また信頼するべきですが、この信頼の評判は私たちが育てる必要があるものです。行動と消費者の観点から、このことは絶対に重要です。

スイス再保険研究所 エマージング・リスク調査部門リード・疫学者   スティーブン・クレーマー氏

COVID-19危機の過去数か月の推移を教えていただけますか?

クレーマー:今回の危機は3つの波で考えられます。第一波は中国、第二波はヨーロッパ、第三波は米国です。中国の数値はすでに大きく減少しており、今後もこの傾向を維持できる可能性が非常に高いと思います。そして第二波のヨーロッパですが、イタリアでは爆発的に患者が増加し、その他の地域でも劇的な増加が見られます。ヨーロッパ全体で異なるペースでコロナウィルスが拡散しているのには、おそらく理由があると思います。迅速に行動した国もあれば、リスクを嫌う国民が多い国もあり、そして監視システムが整備されている国もあります。第三波である米国では、イタリアやスペインの2~3倍の速さで危機が進んでいます。この展開は、初期の検査対応の失敗による一時的なものであると思われます。米国はWHOの検査を使わないことを選択したため、かなりの時間を無駄にしました。現時点では、米国の状況を把握することは不可能ですが、封じ込め措置の効果が表れるまでの間、感染者数は急速に上昇するでしょう。

 

『私たちは検査が必要です。あらゆる場所で、そしてできるだけ早く検査をすることが必要とされています』
 スイス再保険研究所 エマージング・リスク調査部門リード・疫学者 スティーブン・クレーマー氏

 

西欧はアジアの経験をどう活かすことができますか?

クレーマー:中国、韓国、シンガポールは、2003年のSARS流行で予行演習をしました。これは、感染症対策のインフラを整備することにつながり、なぜ彼らが数百万個の検査キットを迅速かつ効率的に製造できたかを説明しています。彼らの検査手順や手続きは、西ヨーロッパのものとは非常に異なっていました。症状がある人であれば、誰でも検査を受けることが出来たのです。制度全体が、あらゆる症例を補足し、あらゆる感染を防ぐことに向けられています。私たちは、彼らの経験を学ぶ必要があります。私たちが本当に必要としているのは、専門知識・リソース・能力を共有する真にグローバルな対応なのです。

中国の措置は成功への処方箋となりますか?

クレーマー:中国が取ったいくつかの対応策は厳しいもので、短期ではあるものの大規模なマイナスの影響を経済や社会に与えました。しかし、私は中国や韓国ではその数字を抑えることができると思っています。これは主にヨーロッパやその他の国では採用されていない追加的対策、たとえば、感染者の迅速な自己識別、接触者追跡調査、および感染を制限するために家族とは別に感染者を隔離することに重点を置いています。この予測不可能な感染症はいくつかの新たな集団発生があるでしょうが、第一波の国々ではヨーロッパ諸国がまだ実施していない追加対策を用いて、迅速に発生を抑えることができるでしょう。そう意味では、彼らは成功しているといえます。ヨーロッパでは現在、ソーシャルディスタンスに焦点を当てており、感染者が多い場所ではロックダウンを行っています。これらの措置は、経済的にも社会的にも破壊的です。このアプローチには、感染者数が減少してきた際にどのように対処していくかという、独自の課題が伴います。

今、何が必要でしょうか?

クレーマー:私たちは検査が必要です。あらゆる場所で、そしてできるだけ早く検査をすることが必要とされています。包括的な検査により、感染者の迅速な特定、疑わしい症例および確認された症例に的を絞った隔離、そして重要なことですが、接触者の追跡調査が可能となります。接触者の追跡調査は必須ですが、それは接触者を検査できる場合にのみ意味があります。世界的に統一のとれた対応を欠いていることのもう一つの大きな課題は、各国がそれぞればらばらに措置を行なっていることです。

明るい展開は見られますか?

クレーマー:今後数か月の間に、より厳しい措置がヨーロッパの数字を押し下げ、それまでに各政府が必要な検査体制を構築することが期待されています。これは非常に前向きな展開になるでしょう。それだけでなく、シンガポールのように誰もが3時間以内に検査を受けることができるレベルまで能力を高められることを私は望んでいます。そこでは、すべての検査が、接触者の追跡とさらなる検査、分離と隔離へとつながる陽性者に対するフォローアップ措置の自動的な引き金となります。それが今後数か月で私たちが達成する必要があることです。

社会レベルでの危機対策の受け入れについてどのように認識していますか?

クレーマー:一部の国では称賛に値するレベルの危機対策への順守を見せていますが、明らかに苦労している国もあり、多くの政府は警告や罰金を科して違反者を取り締まる必要があります。しかし、繰り返しになりますが、この状況は基本的に地域の対応では対処しきれません。世界中の人びとが自らの責任を自覚し、症状につき理解し、何をすべきかを知り、それに応じて行動する「社会全体のアプローチ」が必要です。企業が参入してきて、その能力とリソースで支援を行なっているのも目にします。 私たちは政府の課題を支援することができます。今こそ、私たち全員が貢献する時です。私たちは、ますます緊急性が増している問題の一つである「感染者数が減少したときに政府はどうするのか?」という問いに対する適切かつグローバルな対応を探す手助けをすることができます。

 

スイス再保険のオリジナルの記事はこちらを参照ください。さらに詳細についてお知りになりたい方は、スイス再保険のウェブサイトをご訪問いただくか、下記までご連絡をお願いします。

 

スイス再保険日本支店
ダイレクター、キーアカウント・マネージャー 若月 洋人 Hiroto_Wakatsuki@swissre.com
アシスタント・ヴァイスプレジデント 武藤 慎也 Shinya_Muto@swissre.com

 

ICMIFサイトの英語blog記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2020.4.28

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