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ICMIFブログ記事から:パンデミック、保険、新興市場:相互扶助、リスク、開発が密接に関係しあう5つの理由 – 国連開発計画(UNDP)特別アドバイザー ヤン・ケレット(Jan Kellett)/ICMIF事務局長 ショーン・ターバック(Shaun Tarbuck)

共著:国連開発計画(UNDP)特別アドバイザー:対外関係(金融セクター・ハブ)ヤン・ケレット(Jan Kellett)氏(写真)、ICMIF事務局長 ショーン・ターバック(Shaun Tarbuck)氏
このブログは、6月10日(水)午前9時(英国時間)のUNDPとICMIFによる共同ウェビナー「パンデミック、保険、新興市場 - 長期的発展の構築を媒介する協同組合/相互扶助組織」に関連するものです。ウェビナーの詳細と登録はこちらをクリックしてください。
By Jan Kellett, Special Advisor: External Engagement (Finance Sector Hub), United Nations Development Programme (UNDP) and Shaun Tarbuck, Chief Executive, ICMIF. This blog accompanies a joint webinar from the UNDP and ICMIF “Pandemics, protection and emerging markets: Mutuals and cooperatives as a vehicle for building long-term development” on Wednesday 10 June at 9am BST. For more information and to register please click here.

 

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、我々の時代における決定的な世界の健康危機であり、おそらく第二次世界大戦以降、私たちが直面する最大の試練です。昨年後半にアジアで発生して以来、このウィルスは世界のほぼすべての国に広がっています。そして多くの国々は、人命の大きな損失と疾病に苦しんだ後、旅行、仕事、社会的相互交流の大幅な削減を通じて感染流行の最悪の事態に対処することに成功しましたが、一部の地域、特に開発途上地域では、感染者と死者の両方の増加が懸念されていいます。パンデミックは波であり、世界のありとあらゆる国を襲い、氾濫を繰り返す恐れがあり、根絶するには非常に頑固であることが証明されています。

しかし、もちろん、この流行は健康危機以上のものです。それは、あらゆる国とコミュニティを圧迫し、(保健システムの崩壊の脅威の下での)ロックダウンを通して、社会、経済、雇用、政治の各面で大きな影響を与えています。この影響は長く続くでしょう。

では、保険業界、特に協同組合/相互扶助の保険セクターについてはどうででしょうか。パンデミック発生時に、また将来の感染症発生に備えて、どのように運営ができ、運営すべきなのでしょうか?そして、これは開発にとって何を意味するのでしょう。

私たちはこれらの疑問を検討し、保険、リスクへの取り組み、および開発の実現に関して、相互扶助がおそらく他に類を見ないビジネスモデルであることの5つの重要な点を以下に示しました。

      • 脆弱性と非公式性:相互扶助のルーツは、非公式なリスクのプールから生まれます。主流の保険ソリューションがない中で、志を同じくする人々のグループがリスクを共有しています。脆弱性に取り組み、貧困層のエンパワーメントを図るために協働することは、歴史的にも、また今日でも中心的な原則であり続けています。
      • 社会的価値と商業的価値の結合:協同組合/相互扶助組織は、会員のニーズを満たし、そして影響をもたらすという、二重の目的を持ったビジネスモデルであり、社会的価値の創造は、商業的価値の創造と密接に関連していることを意味します。
      • 会員による所有と会員への奉仕:協同組合/相互扶助組織は会員所有であり、会員は意思決定および所有プロセスの重要な部分を占めており、つまり、はるかにコミュニティ主導で商品、ツールおよびサービスの創出がなされることを意味します。
      • 利益分配:利益は、社会に影響を与える地域密着型のプロジェクトのため(あるいは保険契約者の将来の保険料軽減に使用されるため)会員に分配されます。
      • 長期的アプローチ:協同組合/相互扶助組織のビジネスモデルにより、会員とそのコミュニティの長期的なニーズに注意を向けることが可能となり、主に利益によって動かされる、より短期的なニーズへの注目度ははるかに低くなります。

協同組合/相互扶助セクターは、新型コロナウィルス危機を通じ、ビジネスモデルのこれらの重要な要素を遵守してきたでしょうか?

3月下旬以降、協同組合/相互扶助セクターは、自動車保険の割り戻し、経済支援、保健指導、医療寄付、社会的影響をもたらす債券(ソーシャル・インパクト・ボンド)への投資、コミュニティ支援パッケージ、最前線の医療従事者を支援するための一般寄付など、80億米ドル以上の財政支援を行いました。ICMIFでは、協同組合/相互扶助の保険組織がパンデミックにどのような対応を行なったかの事例について、30以上の国々からの100件以上の感動的なストーリーを記録しており、そのうち少なくとも25件は新興市場からのものです。

新興市場の協同組合/相互扶助組織は、先進市場の組織と同じような財政的支援を提供することはできませんが、その影響は、サービスを提供するコミュニティに影響を与える可能性があり、多くの場合影響を与えています。

多くのコミュニティにおいては、正確な情報へのアクセスが重要な課題となっており、そのため、UNDP、UNICEF、WHOの共同イニシアチブである「WhatsAppコロナウイルス情報ハブ」に情報を配信し、新型コロナウィルスについての噂を払拭し、代わりに正しい最新の保健情報を提供するというUNDPとICMIFのパートナーシップは、数百万人の役に立ちました。

その他の取り組みとして、インドのICMIF会員ダーン・ファンデーション(The DHAN Foundation )は、健康に関する助言を提供するテレアドバイスシステムを拡張し、300万人の会員に最新情報を提供しています。多くのICMIF会員団体、特にフィリピンでは、引き続き保険金を迅速に支払う一方で、必要とされている保険料の猶予を与えています。具体的には、ICMIF会員のクライムス(CLIMBS: Climbs Life and General Insurance Cooperative)が、「単なる保障ではありません “more than just protection”」というキャッチフレーズの下で、「CLIMBS CARES(Community Action Response and Emergency Services)」を立ち上げました。これは安全な飲料水と衛生目的の水の配給による、パンデミックの影響を受けたコミュニティの支援を目的としています。また、クライムスは、COVID-19ホットラインを独自に運営しており、会員に限らず一般人にも公開されています。

インドでは、インド農業肥料協同組合(IFFCO)が 320万米ドル相当をインド首相の緊急国民支援救済基金(PM CARES基金)に寄付しています。同基金は、インドにおける新型コロナウイルス流行との戦い、封じ込め、救援活動に使われています。さらに、IFFCOの「コロナ騎兵隊」は、必要な人たちに対し、150万錠を超えるビタミンC錠剤、30万個の薬用石鹼、30万枚のマスク、5万2千本の消毒剤、1万セットの手袋、30万個の食品パッケージ、および3万個の食料キットを配布しました。また、これまでに1,400件の啓発研修プログラムが実施され、65万人が恩恵を受けています。IFFCOの最高経営責任者は、「私たちの組織は協同組合であり、必要とされる時にコミュニティを支援することは、私たちの責務であり、私たちの組織のDNAの一部でもあります」と述べましたが、これは、新興市場や先進国市場における協同組合/相互扶助界の多くの指導者に共通する思いであり、パンデミックにおける彼らの行動がそのことを物語っています。

これらは、新興市場でのICMIF会員による注目すべき新型コロナウィルス関連の行動のほんの数例にすぎません。協同組合/相互扶助組織の運動についてはさらに多くの事例が存在しており、そしてさらに多くの取り組みが実行可能であり、実行されるべきです。

協同組合/相互扶助セクターが新型コロナウィルスに「対応」できるかどうかだけでなく、パンデミックとそれが顧客、所有者に与える影響からどのように教訓を得て、より良い準備をし、より良い商品を生み出し、より良いサービスを将来的に提供できるかが、現在の論点となっています。基本的に、協同組合/相互扶助セクターは上記の5つのビジネスモデル要素を、単なる短期的な行動ではなく長期的な行動にも適用することができるでしょうか?そして、当セクターは、複雑で相互作用するショックとリスクの現在および将来の現実に対して、いかにして最高の長期的な解決策を提供できるでしょうか?

今後UNDPとICMIFが共同開催する予定のウェビナーにおいて、業界のリーダーがパンデミックから学んだ教訓と、それらを現在および将来の行動にどのように適用しているかについて、その考えを述べることとなりますが、上記の質問を含めた検討がさらに行なわれるでしょう。

6月10日(水)午後5時(日本時間)から開始されるウェビナー「パンデミック、保険、新興市場 - 長期的発展の構築を媒介する協同組合/相互扶助組織」に参加される方は、こちらをクリックし登録してください。

ウェビナーのライブ視聴に参加できない方が録画を視聴したい場合、ウェビナー終了後に録画を視聴するためのリンクが自動的に送信されますので、参加登録は事前にしておいてください。

(写真提供:UNDPバングラデシュ/Fahad Kaizer)

 

ICMIFサイトの英語blog記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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