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フィリピンにおける貯蓄にリンクしたソリューション:ICMIF会員CLIMBSがインパクト(影響力のある)保険プロジェクトで国際労働機関(ILO)と提携

フィリピンでは毎年約20個の台風が来襲しています。ミンダナオ島を拠点とする2つの貯蓄信用協同組合、オロ統合協同組合(OIC)およびナブントゥラン統合協同組合(NICO)は、現在、地元のICMIF会員団体CLIMBS生命・損害保険協同組合CLIMBS Life and General Insurance Cooperative)および国際労働機関(ILO)と提携し、統合リスク管理ソリューションに関するILOプロジェクトをサポートしています。

この二つの協同組合の組合員は通常、台風などの緊急事態に融資を行うことで対処しています。OICとNICOによれば、組合員における貯蓄の習慣は一般的に極めて低調な状況です。このため、両協同組合では、組合員に貯蓄の習慣をつけてもらい、緊急時に組合員が自分の資金を引き出せるように貯蓄預金を増すことに熱心でした。OICはまた、提供する長期ローン商品の流動性のバランスを取るために長期貯蓄を増やしたいと考えており、NICOは組合員に健康保険給付を提供することに熱心でした。

統合リスク管理ソリューションを設計するために、このプロジェクトは、フォーカス・グループ・ディスカッション、組合員やスタッフとの詳細な個別インタビュー、現在提供されている商品の分析などの市場調査から始まりました。組合員への調査には、直面するリスク、対処メカニズム、貯蓄習慣、信用行動に関する質問が含まれていました。組合員が直面する諸リスクのトップは、健康と災害でした。OICの組合員はまた、子どもたちが大学に学費を支払うのを助ける教育向け商品を望んでいました。

組合員からの要望と協同組合の要請に基づき、3つの商品が発売されました。3商品のソリューションは全て貯蓄にリンクし、関連する保険がセットになっています。これにより、台風などの緊急事態が発生した場合に、組合員はすでに困難な状況にさらに負担をかける可能性のある高金利ローンを借りるのではなく、自分の資金にアクセスできます。保険はCLIMBSにより提供されます。協同組合にとって、それは組合員の忠誠心を築き、長期にわたって必要な流動性を組合員に提供します。

  ナブントゥラン統合協同組合(NICO)の「ヘルス・セーバー」

これは、健康保険がセットされた期間5年の貯蓄商品です。組合員は5年間、毎月少額の預金(最低500ペソ(1,100円)から最高2,500ペソ(5,500円))を貯蓄する必要があります。 金利は通常の貯蓄金利よりも高い年率6%です。

組合員は、自分と扶養家族2名について入院所得給付を受けます。組合員は初年度の保険料を支払い、その後の保険料は累積された貯蓄残高から自動的に差し引かれます。

入院の場合、組合員はPhilHealth保険とNICOの入院所得給付を利用できます。不足がある場合、会員はこの健康貯蓄口座から引き出すことができます。さらに不足が生じた場合、組合員はローンを借りることができますが、これは組合員の支払い能力に応じます。

  オロ統合協同組合(OIC)の「健康・災害貯蓄」

これもまた、災害保険がセットされた最低5年間の節約商品です。累積残高が5,000ペソ(11,000円)に達すると、組合員には無償で災害保険が提供されます。この保険は、自然災害による財産の損害および医療費の払い戻しを保障します。組合員は少額の預金(最低500ペソ(1,100円)から最高2,500ペソ(5,500円))を最低5年間にわたり貯蓄する必要があります。金利は年率5%です。5年経過すると、組合員は得られた利息を引き出すことができ、預金の預け入れを停止できますが、預金の引き出しは緊急の場合にのみ可能です。

  オロ統合協同組合(OIC)の「協同組合の子ども向けSAFE Plus」

この貯蓄の目的は、子どものための大学資金を積み立てることです。貯蓄プランでは、組合員は10年間、または子どもが大学に入るまで貯蓄を行なう必要があります。資金の引き出しは、大学の在籍期間中、年2回まで許されます。預金期間中、会員には無償で生命保険が提供されます。この保険金は累積残高と同額です。組合員が死亡した場合、対象となる子どもは成人に達すると預金を引き出せます。

 

3つの商品全てには、意図された以外の目的で引き出しが行われる場合の中途解約ペナルティがあります。貯蓄の持続性を確保するために中途解約料が徴収され、最低保証額が入金されない場合には口座は閉鎖されます。

3つの商品は全て、フィリピンでロックダウンが行なわれる数週間前に発売されました。全体的な貯蓄率の低下は商品の普及に影響を与えましたが、組合員からの最初のフィードバックは励みになっています。実際、OICは、組合員が以前よりもこのような製品のメリットを享受することを確信しており、「健康・災害貯蓄」が今年最も利用される商品となることを期待しています。

CLIMBSは、「フィリピン・インパクト(影響力のある)保険プロジェクト」におけるILOのパートナーの1つです。プロジェクトは18か月間実施される予定であり、2019年に開始されてから新型コロナウィルスが2020年初めに世界的に大流行するまで、勢いを得ていました。プロジェクトのパイロットパートナーはOIC、NICO、MSU-IIT NMPCですが、MSU-IIT NMPCについてはプロジェクトはまだコンセプトの段階にあります。全国約4,000の協同組合を擁するCLIMBSのネットワークにより、このプロジェクトは、草の根レベルからのリーチとインパクトという点で、大規模化してもコストなどが規模に比例して増えないスケーラビリティも目的としています。

※ 文中の金額は1フィリピンペソ=2.2円で換算

  
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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