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慎重性と資本の補填が6月と7月の更新を動かす - Willis Re 1st View レポート

保険会社は、十分な再保険資本に支えられて、6月1日と7月1日の更新で十分な再保険能力を確保することができました。追加的な資本および債務の資金調達を支える投資家意欲と結びついて投資市場は目覚ましく回復し、そして再保険会社は慎重なリスクとコスト管理を行っており、資本水準は2019年12月末よりもわずか5%低い水準まで戻りました。ICMIF協賛会員 Willis Re による最新の 1st View更新レポートによると、これは2020年3月末に比べ30%の減少です。

レポートでは、一般に、再保険料率の不適切性という長年の根本的な問題が、米国の特約再保険市場を中心に、多くのクラスや地域において引き続き慎重な料率調整を促進していることを指摘しています。損害を受けたカタストロフ特約については、リスク調整後の再保険価格が2桁増加し、オーストラリアと中南米の保険会社のプログラムでは+10%から+20%の範囲、フロリダ州のホームオーナー保険の更新では+35%もの増加が見られました。料率上昇は一般的でしたが、ピーク時のカタストロフ・エクスポージャーが限定された、損失が発生していないカタストロフ特約ではそれほど劇的ではありませんでした。

レポートによると、損害ビジネスでは、損害が発生した超過損害額特約再保険において料率が上昇しました。これが最も顕著だったのは、+40%も増加した米国の医療損害賠償です。しかし、前年の結果が安定していたロングテールのビジネスラインは、多少の料率が上昇する場合もありましたが、期限を迎え更新されました。比例再保険の手数料は横ばいまたは最大2.5パーセント減少しました。これは主に、原契約の価格変更の程度によりもたらされました。再保険会社は、現在約70億米ドルと報告されている新型コロナウィルスの損失が決済されるまでに数年かかり、数四半期にわたり引当てが必要となる可能性があることを認識しています。一方、パンデミックは二つ目の事象をもたらしました。すなわち、パンデミックの損失が市場のバランスシートの資産・負債の両面に与える影響が高度に相関しているということです。その結果、投資家は慎重かつ選択的な姿勢を維持し、パフォーマンスの良いファンドや格付のある再保険会社を好む一方で、一部の保険リンク証券(ILS)ファンドから資金を引き出し続けています。

Willis ReのグローバルCEOであるジェームズ・ケント(James Kent)氏は、「世界の再保険市場は、最近の更新時に資本の制約はありませんでしたが、引受業務の収益性を重視した慎重性が高まっています。より持続的なハード化が全体的に明らかですが、再保険会社は、顧客、商品種類、地域を明確に区別し続けています。持続的なリレーションシップの価値が再び証明されました」と述べました。

レポートのダウンロード:Willis Re 1st View は、世界の主要な再保険クラスおよび地域全体の主要な傾向に関するコメントなどを載せた年3回発行のレポートです。

  
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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