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レポート

AMベスト市場セグメント見通しレポート:フランス、ドイツ、イタリア、スペインの生命・損害保険市場

1) イタリアの生命保険市場

今年の4月、ICMIF協賛会員のAMベストは、イタリアの生命保険市場に関する市場セグメントの見通しをネガティブ(否定的)に見直しました。見通し変更の主因には、新型コロナウィルスのパンデミックにより引き起こされた、あらゆる資産クラスにわたる重大な資産価値の低下と引き続く変動性に対する収益ならびにソルベンシー水準のエクスポージャー、およびイタリアの生命保険会社のバランスシートの信用スプレッドの変化に対する感応度などがあげられます。

AMベストの市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:イタリアの生命保険」は、予想される保険料収入の減少と、景気悪化による債券のデフォルトリスク上昇をネガティブな傾向として挙げています。

これらの要因は、業界全体での効果的な資産負債マッチング、投資利回りと従来型の生命保険の平均予定利率との間の概して健全なマージン、ソルベンシー水準の余裕により金融市場の変動性を一定程度吸収できる当セクターの能力によって、一部軽減されているとレポートは述べています。

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2) フランスの生命保険市場

市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:フランスの生命保険」において、AMベストはフランスの生命保険市場に関する市場セグメントの見通しをネガティブ(否定的)に変更しました。見通し変更の主因には、新型コロナウィルスのパンデミックにより引き起こされた保険料水準と資産評価にマイナスの影響を与えると予想される重大な経済面と財務面の逆風、また、継続的な低金利環境から生じる業績とソルベンシー比率に対する持続的な圧力などがあります。

4月に発行されたこのレポートは、長期のユーロ建てビジネスの比率が高いことによる金利変動への感応度、および景気悪化による社債のデフォルトリスクの上昇をネガティブな傾向として挙げています。

レポートでは、これらの要因は、関連する税制上のメリットと低金利環境への積極的な対応により裏打ちされた伝統的な生命貯蓄商品が優先的な投資手段であり続けていることによる、歴史的に高いフランス人の貯蓄傾向によって部分的に相殺されていると述べています。保険会社は、従来の貯蓄商品の予定利率を引き下げ、保険ポートフォリオにおいて資本効率の高い変額保険商品の比率を高めています。

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3) フランスの損害保険市場

AMベストはまた、4月にフランスの損害保険市場の市場セグメントの安定的な見通しを据え置きました。主因として、激しい競争にもかかわらず当セクターの引受実績が弾力的であること、控え目ではあるが定期的な中核種目の保険料上昇、優れた保険種目別の分散があります。

市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:フランスの損害保険」において、新型コロナウィルスのパンデミックに対応して実施された諸制限の中でフランスの商業活動が停滞しており、2020年の損害保険料の水準が下がることが予想されると述べています。今年フランスは景気後退入りが予想されていますが、その潜在的な深刻さと回復のタイミングはまだ分かりません。

AMベストは、フランスの損害保険セグメントが持つ多様な事業構成によって、保険会社の保険料収入に対するパンデミックおよび予想される国内総生産の落ち込みの影響が緩和されることが期待されると指摘しました。自動車保険などの強制加入保険商品は景気後退に強く、保険料の大幅な落ち込みが見込まれる信用保険や建設保険などの景気循環に連動する市場を補完することが期待されています。

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4) イタリアの損害保険市場

2020年5月の市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:イタリアの損害保険」によると、AMベストはイタリアの損害保険市場に関する市場セグメントの安定的な見通しを据え置いています。主因として、強力な引受収益性が維持されるというAMベストの予測、一定程度の金融市場の変動性を吸収する余裕があるイタリアの損害保険会社の健全なソルベンシー水準などがあります。

「市場セグメント見通し:イタリアの損害保険」はまた、一般にイタリアの損害保険会社のバランスシートは、投資ポートフォリオのデュレーションが短く、(生命保険会社と比べて)信用スプレッドの変化による影響が小さいと述べています。

レポートは、これらのポジティブな要素は、当セグメント(特に自動車保険以外の種目)の成長を停止させかねない今後予想される景気後退や、新型コロナウィルスのパンデミックにより引き起こされた、あらゆる資産クラスにわたる重大な資産価値の低下ならびに引き続く変動性によって一部緩和されるだろうと指摘しています。

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5) ドイツの生命保険市場

AMベストは6月、ドイツの生命保険市場に関する市場セグメントのネガティブ(否定的)な見通しを据え置いています。主因としては、投資収益の減少による投資利回りと平均予定利率の間のマージンの縮小、法人の既存顧客の流出の遅さ、追加責任準備金(ZZR:Zinszusatzreserve)の積み増しの必要性による収益への悪影響などがあります。

AMベストの市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:ドイツの生命保険」は、これらのマイナス要因の一部は、低金利環境への積極的な対応や、保険会社による予定利率の引き下げ、保険ポートフォリオに占めるハイブリッドな変額保険商品の比率の上昇、コスト削減をサポートする技術およびデジタル機能の進歩によって一部緩和されていると指摘しました。

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6) スペインの損害保険市場

さらに、今年6月にAMベストは、スペインの損害保険市場に関する市場セグメントの安定的な見通しを据え置いています。主因としては、政治的混乱と経済成長の鈍化にもかかわらず市場が示した弾力性のあるパフォーマンス、金融市場の変動性の高まりに耐え得る収益性とソルベンシーの強力なテクニカル指標ならびに保守的な投資ポートフォリオなどがあげられます。

AMベストの市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:スペインの損害保険」は、これらのサポート要因が、新型コロナウィルスのパンデミックによる国内総生産への圧力に伴う保険料収入の減少予測および低金利環境の長期化によって部分的に相殺されると指摘しました。

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7) スペインの生命保険市場

AMベストは、6月にスペインの生命保険市場にネガティブ(否定的)な市場セグメントの見通しを付与し、市場セグメントレポート「市場セグメント見通し:スペインの生命保険」を発行しました。主因としては、新型コロナウィルスのパンデミックにより引き起こされた金融市場の変動性および世界的な不況による収益性とソルベンシーの指標へのマイナスの影響にかかるAMベストの予測、貯蓄性商品への需要減少、経済状況の悪化による社債のデフォルトリスクの上昇などがあげられます。

「市場セグメント見通し:スペインの生命保険」は、これらのマイナス要因が、堅実な収益性と強力な資本と流動性の水準などの強固な市場ファンダメンタルズによって部分的に緩和されていることを指摘しました。さらに、資産と負債は一般的に厳密にマッチングされているため、金利変動に対するスペインの生命保険会社の感応度を低下させています。

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8) ドイツの損害保険市場

直近のカントリーレポート「市場セグメント見通し:ドイツの損害保険」の中で、AMベストはドイツの損害保険市場に関する市場セグメントの安定的な見通しを据え置きました。主因として、健全な技術的収益性が維持される期待などがあげられます。さらに、AMベストは、当セクターの保守的な投資ポートフォリオにより、新型コロナウィルスに起因する金融市場の変動性に対するエクスポージャーが抑制されると考えています。

「市場セグメント見通し:ドイツの損害保険」は、新型コロナウィルスのパンデミックによる景気後退により、これらの要因は保険料収入が減少する可能性により部分的に打ち消されていると指摘しています。その他の打ち消し要因としては、低金利環境の継続と、大災害による損失へのエクスポージャーが原因で発生する可能性のある引受収益の変動性があげられます。

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ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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