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P&Vグループ(ベルギー) 若者プロジェクト支援に100万ユーロ(1億2,300万円)を提供

ベルギーのICMIF会員 P&Vグループは、若者をサポートする国内の66団体を支援し教育格差を縮小するするために100万ユーロ(1億2,300万円)の予算を用意しました。

この予算によって、社会的に弱い立場にある1,300人の若者がデジタルスキルを強化するために新たにコンピューターが配布され指導を受けることができるようになりました。この予算は、若者向けのパーソナルケアを行なう団体に財政的支援をしているP&V財団を通じて管理されます。

P&V財団 理事長のオリヴィエ・セルヴェ(Olivier Servais)氏は、「その目的は、私たちのレーダーから若者を見失わず、彼らが学業、訓練、就職活動を開始しあるいは継続できるようにすることです」と述べています。

P&Vグループの最高経営責任者であるヒルデ・フェルナイレン(Hilde Vernaillen)氏は、「危機が始まって以来、当グループは職員と顧客のために取り組みを行なってきました。さらに、P&Vグループはその歴史を通じて、社会的課題への対応を支援することに尽力してきました。本日始まったこの取り組みはその一環であり、重要な社会的緊急事態への私たちの回答です」と語りました。

P&V財団は、若年層の社会的責任意識の醸成と包摂的な社会の構築への積極的な参加を目的として、2000年に設立されました。

  現在の健康危機により若者の間の教育格差が拡大している

ボードゥアン国王財団(*)が発表したデジタル包摂指標によると、「ベルギーでは、若者のおよそ 5人に1人(19%)が低レベルのデジタルスキルしか持っていない。影響を受けているのは主に教育レベルの低い若者であり、これらの人たちの28%はデジタルスキルが十分ではない。このように、低所得で教育水準の低い家庭にいる弱い立場の若者たちの多くは、ほとんどの場合スマートフォンだけにつながっており、デジタルの知識とスキルの不足のために排除される恐れがある。コロナウィルスの危機は、デジタルの能力と限界を示している。基本的なコンピューター機器の不足は格差を拡大する」とのことです。

オランダ語圏教育連盟が実施した調査によると、中等教育 2・3年生の18,000人以上の生徒が自宅にコンピューターを持っていないことが明らかになりました。ワロン地域では機器が明らかに不足していることはすでに知られていました。遠隔学習や宿題は、学校で最も熱心な生徒と、家庭でより適切に監督されている生徒に利益をもたらします。学年が始まって以来、格差は広がり、若者の一部には累積した遅れを補うことができない人も出てきます。

  デジタル技術の利用に関する機器以外の根強い不平等

この緊急事態に対応するため、P&Vグループは100万ユーロを寄付し、P&V財団がプロジェクトの次の2つの使命を開始できるようにしました。1番目は、ボードゥアン国王財団が管理する「LinkingYouth Up」で、社会的に弱い立場にある若者のデジタルスキルの強化に重点を置いたコンピューターの購入を目的としています。2番目の「Guiding Youth」は、学校でのキャリアや就職活動に関して弱い立場にある若者たちに、より包括的な支援やフォローアップを提供します。

ベルギー全国の66団体が、財政的・物的支援の恩恵を受けます。これらの団体を通じて、社会的に弱い立場に置かれた1,300人の若者が新しいノートパソコンを配布されており、あるいは今後受け取る予定であり、そしてデジタル技術の指導とスキルの強化が行なわれることとなっています。新しいデジタル技術を習得することによって、このノートパソコンは、若者の学校でのキャリアに関してそして就職活動に際して、以後可能な限り効率的に利用することが可能となります。これは、IT専門職の求職者を訓練することを目標に支援を受けている、66の非営利団体の1つである Interface3 の事例です。「私たちは、若い学生に在宅で質の高い教材を提供できることを喜ばしく思っています。学生の多くは、職業や家族の面で難しい背景を持っていました。設備が整っていれば、より効率的な方法でサポートできるようになります」と、教育部のコーディネーターであるジェニファー・デジョン(Jennifer Dejond)氏は説明します。

  信頼と距離の近さ

その目的は、プロジェクトの2つの使命が、若者や社会的に弱い立場にある家族と強固な信頼関係を築いている団体を支援することにあります。66の団体(ブリュッセル首都圏:20、フランダース地域:23、ワロン地域:19、その他ベルギー全土で活動する数団体)は非常に多様性に富んでおり、青少年センター、社会的専門家統合非営利団体、ホームワーク・学校・スポーツ団体などがあります。これらすべての組織は、若者との接触を維持し、彼らを継続的に支援するために、新型コロナウィルスのパンデミックにより引き起こされる新たな健康状況に非常に迅速に適応しなければなりませんでした。

ブリュッセルでは、非営利団体である Schola ULB がロックダウン開始当初からデジタルによる個人指導を開始しました。Schola ULB のコーディネーターであるクレア・ソーディン(Claire Sourdin)氏は次のように説明しています。「ロックダウンの最初の1週間で、高校家庭教師の66%は既に遠隔による生徒の個人指導を立ち上げていました。ロックダウン期間中に、家庭教師は合計で1,375人の生徒と連絡を取ることができました。今学年の初めから、当団体はハイブリッド・システムを導入しました。多くの学生家庭教師がいくつかの提携校に動員され、学生たちが学校が始まる時に軌道に戻るのを助け、彼らが自信を深め学校を中退するのを防ぐためのサポートを行なっています。依然として重要性が高いことから、この支援は直接的に行なわれていますが、デジタルによって補完可能であり今後はそうなっていくでしょう。」

ヘントのTAJO非営利団体は、脆弱な地域の子供たちをさまざまな職業に紹介する新興企業であり、電話により若者たちとの連絡を保っていました。TAJOの理事を務めるクラウディア・ヴァン・エグモンド(Claudia van Egmond)氏は、次のように取り組みの1つについて説明します。「私たちは、歩道上で個別の式典を行ない、卒業証書を若い人たちに手渡しました。それもレッドカーペットとミュージシャン付きです!若者たちとその家族にとってそれは素晴らしい経験でした。私たちはまた次もやりたいと考えています! 」多くの若者はノートパソコンを持っていないか、兄弟姉妹と共有しなければなりません。配られたノートパソコンで、TAJOは若者が利用可能なすべてのデジタル資源を自立的かつ責任を持ってフル活用すると同時に、オンライン上の危険から身を守るように指導したいと考えています。

連帯のネットワークが集まっていない地域では、特に仕事を求める若者にとって接近アプローチが不可欠です。非営利団体 Perspectives in Flémalle は、技術専門職向けの訓練を行なっている若者とのリモートでの接触を維持しました。同団体の理事であるブルーノ・シュナイダー(Bruno Schneider)氏は、「最も難しいのは、若者同士の接触とモチベーションを保つことです。電話やオンラインによるカウンセリングで適応しなければなりませんでしたが、うまくいきました、そして私たちはどの若者とも連絡を絶やすことはありませんでした!一部の若者は積極的に映像によるやり取りを体験しています。すなわち、物理的に家にいながら好ましい環境にあることが分かったとき、彼らは自信を深め、自分の願いやニーズ、障害について多くを語ります。若者の中にはオンラインのトレーニングを始めたいと思っている人もいます。コロナ症例数の現在の増加を考えると、これは間違いなく考慮すべきシナリオです」と述べています。

 

* ボードゥアン国王財団の使命は、より良い社会に貢献することです。同財団は変化とイノベーションの主体であり、ベルギーと欧州の公共の利益と社会的結束の強化に貢献しています。財団は、組織と個人の能力を強化することにより、その影響力の最大化を目指しています。また、個人や企業による効果的な慈善活動を促進します。

※ 文中の金額は1ユーロ=123円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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