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ICMIFブログ記事から:「正しいことをする」- ワンファミリー(イギリス)最高経営責任者 テディ・ニャハシャ(Teddy Nyahasha)氏

今回のゲストブログは、イギリスのICMIF会員ワンファミリーOneFamily)の最高経営責任者であるテディ・ニャハシャTeddy Nyahasha)氏が執筆しました。ニャハシャ氏は、自身や相互扶助組織に働く他の人びとが認識している相互扶助のコア・バリューの方に、人びとの態度が回帰していることについて語っています。同氏は、他人に優しくする方向の動きや、責任ある行動、包容力ある振る舞い、他人の幸福への配慮が今重要であるという感覚は間違いなく存在すると考えており、「正しいことをなすことが再び脚光を浴びているのでしょうか?」と問いかけます。このブログ記事をICMIF会員と共有することを許可していただいたニャハシャ氏に感謝いたします。
This guest blog was written by Teddy Nyahasha, Chief Executive at ICMIF member OneFamily (UK). Teddy speaks of a shift in people’s attitudes back to mutual core values that he and others working in mutuals are seeing. Teddy believes there is definitely a swing towards being kind to others and that acting responsibly, behaving inclusively and caring for the wellbeing of others is what matters at the moment and he asks the question “Is doing what’s right popular again?” Our thanks to Teddy for his permission to share this blog with ICMIF members.

 

相互扶助セクターが少し人気となっているかもしれません。

過去数十年、金融界の中で運動主導で時代遅れだと見られてきた相互扶助組織で働く私たちは、人びとの態度が私たちのコア・バリューに突然戻ってきているのを目にしています。正しい行いをすることが再び脚光を浴びています。

たぶん、それはアッテンボロー効果()や、最近のブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動への注目、そしてコロナ禍の際に見られた隣人愛など優しさへの振れが融合したものでしょう。しかし、責任ある行動、包容力ある振る舞い、他人の幸福への配慮が今重要であるという感覚は確かに広がっています。私にとって、それは正しい方向への変化です。

相互扶助組織には、正しいことを為してきた長い歴史があります。彼らは何百年も前から存在しています。当初は、働く人びとの寄付による基金として、病気になったり年を取ったりした時の助けとなっていました。当時は政府支援などなく、相互扶助組織が貧しい人々にかけがえのないコミュニティサービスを提供しました。

ほとんどの相互扶助組織はその精神にしっかりと根ざしています。それらの組織は今でも、メンバーまたは利用者によって彼ら自身の利益のために所有されています。その社会的良心は非常に明白であり、それが私たちを金融セクターの中で他と異なるものにしているのです。私たちにとって、包容力を持って行動するということは、社会の誰もが金融商品にアクセスして金額の多寡にかかわらず貯蓄できる均等機会を持てるようにすることも意味します。私たちはプール方式を利用して零細な貯蓄者に機会を提供します。高い最低基準値によってあまり裕福でない人を事実上差別している他のいくつかのプラットフォームとは違います。

世界の他地域は、相互扶助制度の創設者として英国を見ています。しかし、20世紀後半に株式会社化が急増し、残った相互扶助組織はこの国では徐々に視界から姿を消しました。たぶん、人のお世話をするという概念は少し時代遅れと見られたのでしょう。

しかし今、再び焦点が当てられつつあります。ESG(環境、社会、ガバナンス)が新しい話題のフレーズとなり、環境と社会、そして企業の利害関係者にとっての善が交差する場所が新たな草刈り場となっています。一方、ほとんどの相互扶助組織は、従来行なってきたことを単純に続けてきました。気配り、共感、思いやりを持って行動することは、私たちにとっては目新しいことではありません。

では、次はどうなるでしょう? 私は、コロナ後の世界における相互扶助セクターの存在価値が今はかつてないほど高まっていると考えます。当組織のどこに目を向けても、物事を成し遂げたい、必要とされるときにメンバーを助けたいという情熱が見られます。私たちには朝デスクに向かうエネルギー、目的、理由があります。私たちは単にハンドルを回し正しいことを言っているだけではありません。私たちはしたいからそれをするのです。相互扶助とは思考態度なのです。

相互扶助セクターの再評価が行なわれると私は思っています。社会的良心を持ち持続可能なやり方で行動する金融サービス部門。それは世界が今必要なものだと考えます。

 

デヴィッド・アッテンボロー卿(Sir David Attenborough)は有名な英国のブロードキャスター、博物学者、自然保護論者であり、彼の最新の映画「A Life on Our Planet 地球に暮らす生命」(10月からNetflixで上映中)は、地球がどれほど速く資源を奪われたか、そして自然界に壊滅的な打撃が与えられたかという、多くの人が恐ろしいことと考えるテーマを取り扱っています。いわゆる「アッテンボロー効果」とは、日常生活でより「グリーン」になることによって、あるいは地球に与えられている損害の程度を減らそうと努めている会社にお金を確実に投資することによって、継続して続けられている被害を打ち消そうと何か前向きなことをする人びとの欲求の高まりのことを指します。調査によると、アッテンボロー効果により持続可能な投資への関心が高まっています。

 

ICMIFサイトの英語blog記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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