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フランス共済組合全国連合が、健康と医療ソーシャル部門に特化し社会的・環境的影響を持つ初の投資ファンド「ミューチャル・インパクト(Mutuelles Impact)」を立ち上げる

フランスのICMIF会員であるフランス共済組合全国連合La Fédération nationale de la Mutualité Française:略称FNMFまたはLa Mutualité Française)は、健康および医療ソーシャル部門に特化し社会的・環境的影響を持つ初の相互扶助の投資ファンド「ミューチャル・インパクト(Mutuelles Impact)」を立ち上げました。その投資戦略は、ファンドが生み出す社会的・環境的影響を、リターンと同様に重視しています。

「ミューチャル・インパクト」ファンドは、予防、ケア、医療ソーシャルの各部門において、社会的に大きな影響力を持つ企業への投資と育成を目指します。フランス共済組合全国連合の全44会員と同連合自体の参加により、新ファンドの初回投資家募集を完了し5,000万ユーロ(61.5億円)を上回る額を調達しました。最終的な目標は、合計1億ユーロ(123億円)を調達することです。

フランス共済組合全国連合によると、この新ファンドはSiparexグループのXAnge社とInvestir & +社が運用します。両社は、社会的・環境的影響に関して経験を積んだ、プライベート・エクイティ投資におけるベンチマーク的なプレーヤーです。

同連合は、このファンドを通して2021年に総額1億ユーロを集めるという野心的目標を持っています。

同連合の会員である相互扶助組織が参加して、このファンドが社会的・環境的影響を持つ真の金融リーダーになることが期待されています。

現時点でフランス共済組合全国連合とともに参加が予定されている44の相互扶助組織は以下の通りです。

Adrea Mutuelle – groupe AESIO、Carac、Matmut、Union Mutualiste Retraite、Tutélaire、Unéo、Groupe VYV、Klesia Mut’、La Mutuelle Générale、Harmonie Mutuelle、Mutuelle Générale de l’Education Nationale、Groupe Pasteur Mutualité、Intériale、Mutuelle BNP Paribas、Apicil Mutuelle、Mutuelle Malakoff Humanis、Mutuelle RATP、Radiance、Mutuelle Humanis Nationale、Mobilité Mutuelle、Mutuelle 403、Mutuelle des Métiers Electronique et Informatique、Mutuelle du Nickel、Mutuelle Entrain、Mutuelle MMH、Mutuelle Valeo、Mutuelle Solimut Centre Océan、Solimut Mutuelle de France、Mutlog、Mutuelle des services publics、Aubéane Mutuelle de France、BPCE Mutuelle、Mutami、Mutuelle de la Corse、Mutuelle de la Réunion、Mutuelle Générale Solidarité de la Réunion、Mutuelle Prévoyance du groupe Macif、Mutuelle des Sapeurs-pompiers de Paris、Mutuelle du Lacydon、Société Mutualiste des Hospitaliers、Mutuelle de France des Alpes du sud、Mutuelle des Affaires Etrangères et Européennes、Mutuelle Familiale、Mutuelle du Journal Ouest France.

これらの投資家は、その多様性の全てにおいて相互扶助運動を代表していると、フランス共済組合全国連合は言います。すなわち、あらゆる規模、業種(健康、医療、退職金など)、職種(相互扶助会社、公務員の共済組合、多職種をまたぐ相互扶助組織、従業員退職金団体積み立てから生じた相互扶助組織)の相互扶助組織を含んでいます。

  経済効率と全体の利益を調和させる経済の強化

今週の声明の中でフランス共済組合全国連合は、社会が直面する課題は、経済をより持続可能とし、より団結させるために、経済の社会的および生態学的な移行を求めていると解説しました。また同連合は、相互扶助組織はヘルスケア・プロバイダーや非営利の健康保険会社としての活動を通じてこの変革の中心にいると語ります。

フランス共済組合全国連合のティエリー・ボーデ(Thierry Beaudet)会長は、「今日、相互扶助運動は、日々の取り組みを超えて、経済効率と全体の利益を調和させる企業の発展を支えることにより、長期的な投資家としての役割を強化することが望まれています」と述べました。

ミューチャル・インパクトは、健康および医療社会分野における同連合の投資戦略の中心に、社会的・環境的な影響を置くものです。投資対象セクターは次のとおりです。

      • ケアを提供する組織とその専門家の活動
      • 患者・介護者への支援
      • ケアへのアクセス
      • 予防
      • 健康教育と啓発

ティエリー・ボーデ氏は、「この投資ファンドは、社会的結束の基盤である活動部門を統合する経済復興プランへの、相互扶助運動の貢献の1つです。相互扶助組織は、全般的な利益のために経済を復興させる上で中心的役割を果たしています」と述べました。

  経済を発展させるための社会的・環境的影響を持つ投資戦略

「ミューチャル・インパクト」ファンドは、以下の投資基準を設定しています。

      • 社会・環境に大きな影響を与える若い革新的な企業の規模拡大支援
      • 確固たるCSRの実践を示し、より大きな社会的および環境的影響を生み出すことを目的として、構造化された変革プロセスを支援するためにファンドと協力する、より成熟した企業の「前向きな」変革

投資対象企業は、規制された金融市場において上場されていない組織(主にフランス)です。当ファンドは、以下の前向きな移行の4つの柱の改善の面で企業を支援します。

      • 特に最も弱い立場にある人々が利用できるソリューションによる社会的影響
      • 環境への影響
      • 価値の共有
      • ガバナンスの共有
  初期融資から融資対象企業の成長支援まで

保険者またはケア・プロバイダーとしての相互扶助組織の使命は、イノベーションの展開と、資金提供を受けた企業の成長を支援するのに有利なエコシステムを提供します。

このファンドの目的の1つは、相互扶助組織と資金提供を受けている会社との間に業務上の相乗効果を生み出すことです。そして、革新的なソリューションが、相互扶助保険の提供に統合され、2,800の相互扶助の医療施設およびサービスのネットワークに展開されることになります。

  「ミューチャル・インパクト」ファンドの運用に選ばれた主要プレーヤー2社について

XAnge社(Siparexグループのイノベーション・チーム)およびそのパートナーであるInvestir & +社は、プロ投資家向けプライベート・エクイティ・ファンドの形態をとる当ファンドの運用者に、入札プロセスを経たうえで選ばれました。両組織は、ファンド運用の経験と社会的・環境的影響に関する専門知識を兼ね備えています。XAnge社は、インパクトに関する専門知識とSiparexグループの強みを併せ持ちます。同グループは、機関投資家やファミリー引受会社から20億ユーロ(2,460億円)以上の資金を受託しています。Investir & +社は、2012年以降、社会的インパクト投資の代表的プレーヤーとなっています。

写真:フランス共済組合全国連合が2019年9月に開催したJournées de rentrée会議におけるティエリー・ボーデ会長

※ 文中の金額は1ユーロ=123円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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