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世界協同組合モニター:大規模協同組合の最新ランキングが発表される

 

世界協同組合モニターは、売上高の合計が2兆米ドル(208兆円)を超えたこと、新型コロナウィルス危機への協同組合の対応、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」への貢献に焦点を当てています。

国際協同組合同盟(ICA)協同組合と社会的企業に関するヨーロッパ研究所(Euricse)は本日、国際的なウェビナーにおいて世界協同組合モニターの2020年版を発表しました。9年目となるこのレポートは、世界の大規模な協同組合/相互扶助組織の経済的・社会的な影響を調査し、トップ300のランキング、部門別ランキング、および現在の世界的な課題である新型コロナウィルスと気候変動への対応の分析を提供します。

  2020年の調査結果

2018年の財務データに基づくトップ300の協同組合/相互扶助組織は、2兆1,460億米ドル(223兆円)の総売上高を計上しています。これらの組織はさまざまな経済部門で事業運営しており、農業(104組織)と保険(101組織)の両部門がリストの上位を占めています。卸売および小売業部門は、3番目に大きな経済部門(57組織)となっています。

今年の結果によれば、大規模協同組合の業績は好調で、各部門でランキング上位の組織にはわずかな変動しかありませんでした。売上高に基づくトップ300ランキングでは、Groupe Crédit Agricole(フランス)が昨年と同様に1位でしたが、Groupe BPCE(フランス)は今回2位のドイツのREWEグループと入れ替わりました。売上高で世界最大の協同組合事業300組織の三分の一以上が協同組合/相互扶助の保険組織であり、日本のICMIF会員であるJA共済連が4番目に大きい協同組合にランクされています。

上位300組織のほとんどは、米国(74組織)、フランス(44組織)、ドイツ(30組織)、日本(24組織)などの先進諸国からのランク入りです。

組織の売上高を国富と関連付けた、一人当たり国内総生産(GDP)に対する売上高の比率に基づくトップ300では、インドの2つの生産者協同組合が1位と2位の地位を得ました。ICMIF会員のIFFCOと、Gujarat Cooperative Milk Marketing Federation Limitedです。

最も代表的なセクターを見ると、農業および食品産業は日本の全農がトップです。産業および公益事業のトップはCorporación Mondragón(スペイン)であり、卸売および小売業ではドイツのREWEグループがリストのトップです。

  新型コロナウィルスへのフォーカス

2020年は前例のない世界的な危機の年として記録されるでしょう。すなわち新型コロナウィルスです。健康危機がもたらした巨大な影響にもかかわらず、協同組合は回復力があり革新的であることが証明されています。当モニターには、フリーランサーのための協同組合SMARTと、同組織の主にカルチャーおよびクリエイティブアート部門からの会員を支援する活動に関する事例紹介が含まれます。また、レポートにはアルゼンチンのICMIF会員であるGrupo Sancor Segurosについて、協同組合保険組織である同社が、協同組合原則が顧客の信頼-パンデミック時の地域社会への貢献を通して得られた信頼-を獲得する上で果たしたプラスの影響を際立たせたことについて特別な言及もされています。

レポートで共有されている分析の全体的な結果は、新型コロナウィルス危機の影響を完全に受けたにもかかわらず、協同組合事業は困難な時期において回復力があることを再び証明したということです。

今年のレポートには、トップ300および国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」の特別な分析が含まれています。SDG 13に関連する事例は、Rabobank(オランダ)とその気候を意識した革新的なバンキング業務についてで、レポート内で詳細に検討されています。その分析に加えてこのセクションでは、Midcounties(イギリス)のチーフ・バリュー・オフィサーであるピーター・ウェストール(Peter Westall)氏へのインタビューを取り上げています。

ブルーノ・ローランツ(Bruno Roelants)ICA事務局長は次のように述べています。「パンデミックは多くの事業に負担をかけていますが、このレポートにある通り、多くの大規模な協同組合は従業員、会員、地域社会が新型コロナウィルスの健康と経済への影響に向き合うのを支援するために介入しました。協同組合起業家精神に関する戦略的思考に従事する大規模な協同組合組織のグループであり、新しく設立されたICA国際協同組合起業家精神シンクタンク(ICETT)に対して、今回の世界協同組合モニターへの貢献に感謝いたします。また、データを提供していただいた組織、および今年度版の作成を可能にしてくれた支援者の方がたにも感謝を申しあげます。」

Euricse事務局長のジャンルカ・サルバトーリ(Gianluca Salvatori)氏は語ります。「2020年、私たちは経済を圧迫することなく社会的緊急事態に対処する必要性に直面しました。協同組合の場合は前からいつもそうでした。そのため、協同組合のモデルはこれまで以上に話題になっています。そして、当モニターの役目は、協同組合モデルがいかにして主要な課題に直面し、劣等感なしに大規模な組織を通じて重要なリソースを活性化できるかを示すことです。」

※ 文中の金額は1米ドル=104円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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