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レポート

第4四半期の投資総額21億米ドル(2,184億円)を受け2020年のインシュアテック資金調達は過去最高の71億米ドル(7,384億円)を達成

 

ウィリス・タワーズワトソン(Willis Towers Watson)の最新の四半期インシュアテック・ブリーフィングによると、2020年に保険・再保険セクターが直面した課題およびこの年のインシュアテック(InsurTech)資金調達の相対的に遅い出だしにもかかわらず、当セクターへの世界の投資は、377件の取引を通じて、2020年の年間累計額が71億米ドル(7,384億円)と記録を更新しました。

2019年との比較では、資金調達総額は12%の増加、取引件数は20%の増加となりました。インシュアテック企業は、第4四半期に103件の取引で21億米ドル(2,184億円)を調達し、その資金の67%は損害保険に焦点を当てた企業によって調達されました。生命保険や健康保険のインシュアテック企業は、2020年第3四半期比で、取引件数シェアが1.6パーセント減少し、資金調達総額は8.4パーセント減少しました。

アーリーステージ(early-stage)の取引が全体に占める比率が2020年第3四半期の57%から47%に減少し、レイターステージ(later-stage)の企業であるHippo、Unqork、Waterdrop、Oscar Health、Bind Benefits、Newfront Insuranceによる1億米ドル(104億円)を超える第4四半期の資金調達は合計で11億米ドル(1,144億円)となりました。ミッドステージ(mid-stage)のシリーズBまたはCの取引フローはやや急増し総件数の29%に達しました。23か国のインシュアテック企業が、これまでほとんど動きがなかった香港、ブラジル、スイスを含む投資家の資本を集めました。

ICMIF協賛会員である Willis Re でインシュアテックのグローバル責任者であるアンドリュー・ジョンストン(Andrew Johnston)博士は語ります。「私たちの業界は新型コロナウィルスに関連する極端な問題に直面していますが、テクノロジーや、この不安定な時期においてテクノロジーの普及を助けることができる技術者に対する、前例のないレベルのアクセスも見られます。おそらく多くのインシュアテック企業は、保険業界がテクノロジーの価値の理解を迫られているのを明らかに感じていることでしょう。インシュアテック企業の現在の課題は、数か月、場合によっては数年におよぶ市場の不確実性を乗り切ることです。」

生命・傷害・医療(再)保険に関連するインシュアテック企業に焦点を当てた最新のブリーフィングは、このセグメントの詳細な検証から始まります。ブリーフィングには、新商品のデジタル化と迅速な販売を可能にするデジタル生命保険プラットフォームであるInsurTechs Afficiency、新興市場向けの病院現金支払い保証商品や医師会ギャップ保障に焦点を当てたInclusivity Solutions、サービスの行き届いていないグループに手頃な医療保険を提供することを目指すDecent、やる気を起こさせるデジタル・ヘルスエンゲージメント・プラットフォームを運営するdacadoo、スポーツ組織にデジタルのリスク管理サービスを提供するPlayer’s Health、医療関連のマイクロ・コンサルティングサービスのAbi Global Health、そして従業員給付および任意給付のセクターにおける新規ビジネスおよび更新プロセスを自動化するGlobal IQXのケーススタディが取り上げられています。

ブリーフィングには、RGAXのバイスプレジデントで、インシュアテック企業の投資家であり、生命保険会社RGAのインキュベーターでもあるスティーブン・ゴールドスタイン(Stephen Goldstein)氏、Vitalityプログラムを通じて被保険者の行動改善を推進し、その結果生じた変化を保険価格に織り込む保険会社Discoveryの創設者であるエイドリアン・ゴア(Adrian Gore)氏、そしてAviva Singaporeで同社のテクノロジー環境の開発を率いている最高情報責任者のサントッシュ・ゴン(Santosh Gon)氏とのディスカッションが含まれています。

また、ブリーフィングには、デジタル・プラットフォームとデータ・インテリジェンス・エンジンを提供するCoherentへの最近の1,400万米ドル(14億5,600万円)のシリーズA投資の詳細や、ユーザーがより良いリスク管理と投資リターンを達成するための最適なウェイト付けを探すのを助ける戦略的資産配分のためのウェブベースのプラットフォームである、ウィリス・タワーズワトソンのOptimum SAAの検証も含まれます。

最後に、この号には、ウィリス・タワーズワトソンのシニアダイレクター兼個人マーケットプレイス戦略責任者であるライアン・ジェッセル(Ryan Jessell)氏による、電子登録への移行、およびエージェントとブローカーの新しい役割に関する記事が掲載されています。この記事の後には、エトナ(Aetna)の情報技術担当シニアダイレクターであるジョン・ジェビン(John Jevin)氏とジェッセル氏とのディスカッションが続きます。

ジェッセル氏は次のように述べています。「生命保険会社と医療保険会社のテクノロジー部門で優先権を得ている取り組み事項は、顧客による保険契約の加入と管理を支援する取り組みを簡素化することで、エージェントとブローカーを支援するものです。とはいえ、エージェント・ブローカー市場の状況は進化を続けており、大規模なコールセンターやウェブベースのエージェントが爆発的な成長を遂げています。機会を探しているインシュアテック企業にとっての鍵は、バリューチェーンに沿ったつながりを促進または強化する上で自分たちが果たすことができる役割を理解することです。」

完全なレポートはこちらから。

※ 文中の金額は1米ドル=104円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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