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エストニアで協同組合/相互扶助の保険組織の設立が可能に

640px-Estonian_parliament_building,_2005国際協同組合保険連合(ICMIF)は今週、エストニア議会(Riigikogu)による改正保険業法の施行のニュースを歓迎するとコメントしました。これによって、エストニアで認められる保険会社の組織構造のタイプが広がりました。改正により、2019年3月2日から保険組合(相互扶助の保険組織の一種)と欧州型の協同組合の両方が認可対象となりました。約80年弱の時を経てエストニアの協同組合/相互扶助の保険が認められることになります。

この改正の施行前、エストニアは欧州連合の中でも協同組合/相互扶助の保険を許可していない数少ない国の1つでした。もともとエストニアには1851年から協同組合/相互扶助の保険が存在していましたが1940年に禁止されてしまいました。

2018年、欧州協同組合・相互保険者協会(AMICE)とICMIFが共同で、欧州の協同組合/相互扶助の保険セクターに関する研究(「ファクトブック:欧州の協同組合/相互扶助の保険 第2巻」)を刊行しました。この研究は、2015年の欧州の協同組合/相互扶助の保険業界の展望と発展にかかる分析が含まれており、エストニアの保険業法では協同組合/相互扶助の保険組織の設立は認められないと当時は記述されていました。2015年当時、エストニアでは2つの協同組合/相互扶助の保険組織が営業していましたが、いずれも外国企業の子会社でした。ファクトブックによれば、2015年当時はエストニアに法的形態としての協同組合/相互扶助の保険組織は存在していませんでした。

2018年1月、エストニアの保険市場には協同組合/相互扶助の保険組織が展開する余地があるという固い信念を抱く一部の人たちにより、エストニアの保険業法改正のプロセスが始まりました。そして、議会での3度の読会と2019年1月30日の採決の後、協同組合/相互扶助の保険は法的な地位を回復したのです。

ICMIFのレポート「グローバル・ミューチュアル・マーケットシェア10」の最新統計によると、協同組合/相互扶助の保険セクターは2017年において欧州保険市場の32.7%を占めています。過去10年間で、協同組合/相互扶助の保険市場の保険料収入は14.8%成長しました。(その一方で、市場全体は14.8%縮小しました)。保険業法の改正によりエストニアの顧客にとって、会員が所有するビジネスモデルに基づく保険という選択肢の幅が広がることが期待されます。

ICMIFで国際関係担当ヴァイスプレジデントのキャサリン・ホック氏は、「エストニアの保険市場に、市場シェアが当時40%に達していたにもかかわらず禁止された協同組合/相互扶助という法的形態が80年の時を経て再導入されたことは喜ばしいことです。世界の他の国々と同様に、エストニアの協同組合/相互扶助の保険組織は、消費者の選択肢の拡大と信頼の大幅な向上、商品とサービスの革新、そして公正な価格設定に貢献すると期待しています」と語りました。

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.3.7