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インドで4番目に名誉ある賞がダーン・ファンデーションの女性活動家に授与される – 貧しいコミュニティの自助グループ向けマイクロファイナンス活動に対し

Chinna_Pillaiインドのダーン・ファンデーション(DHAN Foundation、以下「ダーン」)は、「人材育成と制度構築を通じ貧しい地域社会の貧困を削減し自立を促進する」ことを使命をとするプロの開発組織です。ダーンは、草の根活動に焦点を当てた自助グループのネットワークを通じて活動しており、それらの自助グループは集まって連合会を形成しています。

5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略(「5-5-5戦略」)を通じて、ICMIFはダーンの保険部門(People Mutuals)と連携し、その既存業務を拡大して5年間でさらに100万人に相互扶助のマイクロインシュランスに加入してもらえるように取り組んでいます。5-5-5戦略プロジェクトは、2017年3月のスタート以降、11か国の15のICMIF会員組織により財政的あるいは技術的にサポートされてきました。

ダーンの活動家であるチンナ・ピライ(Chinna Pillai)さんは先般、インドの貧しい地域社会における自助グループに関する仕事によって、インドでも4番目に高い名誉ある賞を授与されました。写真は、ピライさんが賞を受章した様子です。

彼女は、プルシェリ村(マドゥライの農村部)で12歳の時に農場労働者として働き始めましたが、他の多くの村人と同様、地主からの法外な高利、劣悪な労働条件、そして頻繁なモンスーンにより苦しめられました。 そして彼女はそのような生き方に疑問を持ち始めました。

1990年に彼女は女性労働者グループを組織・指導し、公平な賃金とより良い労働条件を求め一致団結して地主と交渉を始めました。この女性団体はプルシェリ村に今でも存在しています。

チンナ・ピライさんは、「同じように畑で働く女性グループの労働契約代表者として私は仕事を始めました。未組織のため、妥当な賃金や労働条件を求めて一致して努力することができませんでしたが、グループを作ることで、地主に一致団結して圧力をかけるだけでなく、将来の安定のために独自に貯蓄制度を開始したのです」と説明します。

彼女の努力はやがてダーンの理事長であるMP・ヴァシマライ氏の目に留まり、同氏はグループの会員の貯蓄をプールすることでより大きなリターンに繋がり、総体的に地域コミュニティの利益となると彼女を説得しました。かくして、PullukKalanjiam(「プルシェリの穀物倉」の略)自助グループが発足したのです。

これが自助グループ運動の始まりで、その29年後にはインドの63の地区に広がっています。そして、現在では120万の世帯が手頃な価格のマイクロファイナンス商品にアクセスできるようになりました。この運動は、貧困の中で暮らす多くの女性たちに手を差し伸べてきたチンナ・ピライさんの献身と貢献から大きな後押しを受けています。

彼女はその業績に対して大きな評価を受けており、最近2019年の国家への奉仕に対するパドマシュリ賞(Padma Shri Award)を含めた賞を受章しています。パドマシュリ賞は、年1度発表されるインドの国民栄誉賞であり、公共への奉仕に関連するあらゆる分野の活動等の業績を表彰するためのものです。

チンナ・ピライさんのさらなる記事は、こちらをご覧ください。

5-5-5相互扶助のマイクロインシュランス戦略のウェブサイトにアクセスして、夫を亡くしたばかりの老いた盲目のポッタイアッマル(Pottaiammal)夫人を訪問するチンナイ・ピライさんのビデオをご覧ください。幸いにもポッタイアッマル夫人は、ダーンのマイクロインシュアランス契約に加入していたため、貧困への転落を免れました。

5-5-5戦略のガバナンスは、ICMIFにより2015年にイングランドならびにウェールズにおける登録慈善団体として設立されたICMIFファンデーションにより監督されています。 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.3.22