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ICMIFブログ記事から:保険における機械知能の課題とその対処法 – Swiss Re Institute マネージングダイレクター兼最高リサーチ&イノベーション責任者 ジェフリー・ボーン(Jeffrey Bohn)博士

ICMIFの協賛会員組織であるSwiss Reからの最新のゲストブログを、Swiss Re Instituteのマネージングダイレクター兼最高リサーチ&イノベーション責任者であるジェフリー・ボーン(Jeffrey Bohn)博士からのコメントとともにお届けします。元記事は、最新のシグマレポート「保険業界におけるマシンインテリジェンス(機械知能):エンド・ツー・エンドの企業変革に向けた洞察」の発行に伴うものです。この記事は、Swiss ReおよびSwiss Re Instituteの許諾のもと、ここに共有されています。
We are pleased to share this latest guest blog from ICMIF Supporting Member organisation Swiss Re with comments from Dr. Jeffrey Bohn, Managing Director, and Chief Research & Innovation Officer at the Swiss Re Institute. The original article accompanied the publication of the latest sigma report Machine Intelligence in insurance: insights for end-to-end enterprise transformation. The article is shared here with the kind permission of Swiss Re and the Swiss Re Institute. A Japanese version of the article is available on the ICMIF Asia and Oceania Association’s website here.

 

質の良いデータとデータエンジニアリングの重大な欠如により、保険業界では、伝統的な回帰分析、機械学習、人工知能など、機械知能(machine intelligence:MI)における急速な進歩の活用が妨げられています。

保険会社はすでに従来型の機械知能を使用していますが、不十分なデータがモデルのパフォーマンスを制限します。人気のある機械学習の種類である「ディープラーニング」や、ここでは適応学習システムと定義される「人工知能」などの新しい機械知能は、データの問題によってさらに妨げられています。

そのようなテクノロジーはすでに顧客分析や保険金請求処理などの分野で広く導入されていますが、より大きな可能性は、保険会社がデジタル経済とモノのインターネットからの増大する(そしてすでに大量の)データセットを活用して、保険の保障をより良くデザインし価格設定することができる能力にあります。これらのテクノロジーは、保険会社がビジネスを管理する方法にも革命をもたらす可能性があります。

しかし、Swiss Re Instituteによる最新のシグマレポート「保険業界におけるマシンインテリジェンス(機械知能):エンド・ツー・エンドの企業変革に向けた洞察」によると、意義のあるデータが存在しないため、この変革が規模をもって行なわれるのを妨げています。

備えが施され、この問題に対処する準備ができている保険会社には、大きな優位性があります。それらの保険会社は、デジタルネイティブである若い世代の消費者の期待に応える商品とサービスを提供できるようになります。同時に、これらの企業はリスクを効果的かつ正確に価格設定することでより成功するでしょう。さらに、整理されたデータと適切な機械知能は、保険の革新に向けた新たな機会につながります。

ディスラプション(混乱)の脅威

テクノロジー業界における巨大で最も手ごわいプレーヤーのいくつかが、間もなく独自の保険商品をユーザーに直接提供し始める可能性があるため、保険業界は迅速に動く必要性に迫られています。

「それらの企業は、そのデータ収集および分析手法によって自らのユーザーを深く詳細に理解しているため、これは従来の保険会社にとって存在に関わる脅威となる可能性があります。あるいは、大手テクノロジー企業と生産的に提携する方法が分かっている保険会社は、保険業界の変革の中で、競争相手をはるかに凌ぐことでしょう」と、Swiss Re Instituteのマネージングダイレクター兼最高リサーチ&イノベーション責任者であるジェフリー・ボーン(Jeffrey Bohn)博士は警告します。

「私たちのセクターは、デジタルテクノロジーから短期間で成功を求めるのではなく、長期的で持続可能な成功をもたしてくれる、企業規模での新たな変革的なモデルおよびパラダイムを見つける必要があります。」

適切なデータに適切なタイミングかつ適切な形式でアクセスすることは、デジタルテクノロジーにより推進される新たなモデルと機会を取り入れるために必要な最初のステップです。

これは、テクノロジーセクターの有名企業であればすでに知っていることです。それらの企業は、データの潜在力を理解し、その価値を最大化する方法を知っています。

データの課題:まず、強固な基盤を構築する

新しいテクノロジーの採用が遅れる理由はいくつかあり、互いに関連し合っています。その1つは実用的なデータがないことです。「そのことは、十分なデータ量がないことを意味するものではありません」と、ボーン博士は説明します。 「確かに、個人や組織が利用できるデータは今までになく増えています。」

「いいえ、保険業界が直面している課題は、これらのデータの多くが不完全で、ノイズが多く、十分に整理されておらず、最も必要なときに利用できず、時には組織のどこかの部門で紛失したりしてしまうことです。適切なデータを見つけて整理することは、アルゴリズムを作成する上で大事な最初のステップです。」

「データ項目は、適切なタイミングかつ目的に適した形式により、特定のニーズを満たす方法で収集、整理、変換、処理されて初めて価値を持ちます。」

ロンドンのセント・メリー・アクス30番地にあるスイス・リーの本社ビル(一部には「ガーキン(The Gherkin)」と親しまれている)は、街で最も目立つ建物の1つです。形と機能の両方で称賛を獲得し、賞を受けていますしかし、それが建築家の指導なしで建てられたとしたら、どのように見えたであろうかを想像してみてください。建築家の関与なしにあるいは堅固な基礎を作成することなしに建築を開始したりする考えは、明らかにばかげているようです。

しかし、多くの点において、デジタルツールの作成において確実なデータエンジニアリングのプロセスを確立しないことは、従うべき建築計画を最初に策定して概要を描くことなく超高層ビルを建て始めるようなものです。

動いているデータ:湖ではなく川

データは通常、分散した値を持ちストックされる資産と見なされます。これにより、特定の方法でデータが保存および処理されるようになりました。しかし、データの本当の価値は、複数のデータセットを(しばしばリアルタイムで)組み合わせて状況に対応し、必要に応じてサービスを提供する際にデータが発揮する力から生じるのです。

ボーン博士は説明します。「変革のエネルギーが、データから解放されるのを待っています。顧客についての洞察は、他のソース(天気、ニュース、ソーシャルメディア、その他の多数の潜在的なデータセットなど)からのデータで増強され、これまでにないレベルの詳細な分析を提供します。」

より深く、より明確な洞察は、新商品や新しい市場開拓戦略の基礎を形成したり、あるいはまったく新しい市場の創出を支援したりすることさえ可能とします。

「たとえば、運転を行なった場合にのみ顧客に保険料負担が生じる自動車保険商品を考えてみてください。あるいは、さまざまなライブデータのソースを集めることで、発展途上国の農作物を保障する能力を考えてみてください。それは本当に革命的なことかもしれません」とボーン博士は言います。

保険業界の各組織が直面している課題は、ビジネスプロセスが時間とともにデータを部門毎に保管するようになったことです。しかし、データは静的なものではありません。湖に蓄積されていると考えるよりも、流動性があって川のように流れていると考える必要があります。

そこから真の価値を引き出すには、絶えず移動するデータの川の真ん中に自分(およびビジネスプロセス)を置き、洞察を取り込み、分析をリアルタイムで実行する必要があります。

不完全または不足のあるデータ体系の修正

ガートナー(Gartner)社は昨年のレポートで、自社のデータ資産の金銭的価値を測定できると回答した最高データ責任者は10%未満であったと述べています。一方、データ専門家の役割を調査したところ、多くの人が自分の時間の67%を基本的なデータの整理と編集の作業に費やしていることがわかりました。

これらの調査結果は、必要なデータ、そのソース、データの使用方法、および望ましい結果がどうあるべきかについての正確な仕様を備えたデータ体系の重要性を示しています。「データとテクノロジーはそのような問題の中心にありますが、新しいツール、新しいモデル、新しい仕事の方法の成功の可能性を決定するビジネス上の決断について、それらが実際に何であるかを見極める必要があります」とボーン博士は言います。

明確なデータ体系がなければ、プロセスに取り込まれるデータは必ずしも目的に適合せず、結果的として高度なスキルを持ち需要の高いデータサイエンティストが最もありふれたデータクレンジング作業を行なうことになります。これは、問題を修正するための取り組みの重複やデータの信頼性の欠如につながる可能性があり、もちろんそのデータを使用する機械知能ツールの有効性を損なう可能性があります。

この先の課題を認識する

データエンジニアリングの重要性についてのこの理解の欠如は、時に失望につながります。

「あなたは非常に速い車に大金を費やすことができます」とボーン博士は言います。「しかし、それを運転するための完成した道路がない場合、それほど速く走ることはできません。」

最新のシグマレポートによると、保険業界はデジタル・トランスフォーメーションへの順応が遅れており、ほとんどの機械知能分野で「幻滅のくぼ地(幻滅期)」を経験し始めたばかりです。保険業界が、これらの新技術に対して「啓蒙の坂(回復期)」に移行するにはまだほど遠いと、同レポートは指摘しています。

「当セクターが直面している課題は、機械知能と関連技術がプロセスと見通しの再調整を必要とする程度を理解して初めて完全に対処が可能です」とボーン博士は述べました。「短期的には、データエンジニアリングを重要な出発点と見なす必要があります。しかし、それを実現するためには、保険業界はデータエンジニア/アーキテクト(プロセスをゼロから設計できる人たち)として適切な人材を引きつけ定着させる必要があります。」

業界がこのようなやり方を取り入れ、それらをリスク商品と規則の構築に関する深い知識および経験と組み合わせることができれば、将来の混乱と競争に直面するのに十分な位置に立てるでしょう。

結論として、ボーン博士は次のように述べています。「過去数年間、ほとんどの保険会社は機械知能を調査するパイロット・プロジェクトに多大な投資をしてきました。残念ながら、これらの投資は、事業の利益に変革をもたらすような改善をもたらしていません。保険業界は、斬新なデジタルテクノロジーから短期的な利益を得ようとするのではなく、データエンジニアリングなどの基盤テクノロジーにもっと多くの投資をする必要があります。同時に、上級管理職は、長期的で持続可能な成功をもたらす企業規模のモデルとパラダイムに目を向けるべきです。これらの企業規模の取り組みでは、多くの場合、単独でうまく機能する最新かつ最高のAI対応システムよりもむしろ、アルゴリズムと組織プロセスの組み合わせが必要となります。」

 

ICMIFサイトの英語blog記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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